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シンポジウム「日本文学における越境の諸相」
 科研B「ポストエスニック時代の文学におけるオムニフォンの意義」による
 

日時:2014年10月25日(土曜日)13時から18時まで
場所:名古屋市立大学滝子キャンパス1号館1階会議室
アクセス http://www.nagoya-cu.ac.jp/1481.htm
キャンパス案内 http://www.nagoya-cu.ac.jp/1520.htm
 

私たちの科研グループは、これまで越境的な文学活動をしている作家や運動、思潮などをめぐって各国語圏を超えた横断的なシンポジウムを開催してきました。越境を何らかの境界を越えていく文学・文化現象ととらえ多言語性や複数文化、異言語をうちにはらむような作家・作品や、言語と視覚表象との境界を越えていくような作家ないし文学運動など広い意味での越境性とつながる諸現象を、今回日本文学を中心に共同討議します。
どうぞふるってご参集ください。(事前申込み不要、入場無料)

13:00-13:45
魏 晨 (名古屋大学大学院文学研究科日本文化学講座博士課程後期課程):
 交錯するまなざし、齟齬する満洲夢――日満綴方使節を中心に
(司会:坪井秀人(国際日本文化研究センター))
【概要】
 日満綴方使節は日本と「満洲国」の両方で児童使節がそれぞれ「満洲国」と日本を見物し、その見物の経験について綴方を書くイベントだった。本報告はまず、日満綴方使節の活動を整理し、その実態に迫る。そして、日満綴方使節による綴方を収録する綴方集を取り上げて分析を行う。その分析を通して、日満両側の児童が「満洲国」と日本に対する異なる捉え方と日満の未来に関する想像力を読み取り、日満間ならではの文化的多層性を明らかにしていく。

13:45-14:30
張ユリ(名古屋大学大学院文学研究科日本文化学講座博士課程後期課程):
 大衆に1930年代を訴える――堀辰雄『風立ちぬ』の再生産と受容を中心に――
 (司会:土屋勝彦(名古屋市立大学))
【概要】
 出版当時から若者の間でブームを巻き起こした堀辰雄の小説『風立ちぬ』(1938)は、時代が変わるにつれて、歌や映像作品など、その媒体を変えながら再生産され、大衆に広く受容されてきた。本報告では、大衆に1930年代を想起させる装置として小説『風立ちぬ』を捉え、その再生産と受容過程を時代別に分析することで、メディアに映し出された1930年代と大衆との力学について考察することを試みる。

14:50-15:35
岡英里奈(名古屋大学文学研究科人文学専攻日本文化学講座博士課程後期課程):
 1940年前後における2つの岡倉天心像―戦時下の〈越境〉・〈越境者〉イメージ―
(司会:田中敬子(名古屋市立大学))
【概要】
 本発表では、1940年前後における島崎藤村と日本浪漫派による二つの岡倉天心像に注目し、両者がどのような思想的経過を辿って〈越境者〉天心を再発見したのかについて明らかにし、さらに両者における〈世界史〉認識に注意しながら、両者の比較をおこなう。それによって、当時の〈越境者〉や〈越境〉そのものに対するイメージが、「大東亜共栄圏」や「東亜の盟主」としての〈日本〉といった戦争肯定の言説と、いかに関わり合い、または反発し合うのかについて考察したい。
 
15:35-16:20
スレイメーカー・ダグ(ケンタッキー大学教授、明治大学客員研究員)
(司会:沼野充義(東京大学))
越境を越える、文学考察
「越境文学」における「越える」または[越す]というのは何をさすのか?「越えている」人があれば[越えた]地域もある。本発表では何人かの芸術家の業績を考察しながら「越える」という動作を検討する。たとえば、海外で日本語で書くだけで、越境にはならないだろう。越境の根本的な意味を掘り起こすために 多和田葉子の小説を中心に扱って考える。多和田自身の動作も、作中人物の動作も、この問題を明らかにする鍵を持つ。比較検討の為に菅啓次郎やリービ秀雄などの作品にも触れる。
 
16:40-17:30
招待講演: 西成彦(立命館大学)
 「比較植民地文学の試みー交叉的な読書について」

17:30-18:00
総合討論 
科研グループメンバー:土屋勝彦、沼野充義、今福龍太(東京外大)、管啓次郎(明治大)、田中敬子、山本明代(名市大)、谷口幸代(お茶の水女子大)

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