先週末のぺトラ・コロナトさんの講演会は無事終了しました。
7月末の試験期間と重なったのか、今回は参加者が少なく残念でしたが、
興味深いお話で、色々と見識を広めることができました。
参加者の皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
コロナトさんのお話は、大学街として知られるチュービンゲンでの大学時代のお話に始まり、壁崩壊後にベルリン
に赴き、色々な職業に就き、苦労の末にtongue tongue
Hongkongという文学再生組織を立ち上げた経緯を語ったものです。この組織はベルリン、ウィーン、チューリヒまで活動拠点を広げたもので、既存の文
学テクストの改修、編集、活性化、再生産をはかって、様々な文学的催しやインターネット上の文学フォーラムを作るユニークな活動であり、当初はメディア的
なインパクトもありましたが、結局破綻したそうです。彼女はその後ARDやSWRなどの歴史ドキュメント・プロジェクトに関わり歴史研究者としての仕事も
行い、現在まで、さまざまの文学雑誌、新聞などにエッセイを寄稿し、写真家としても活動しています。最後にブーヘンヴァルトの強制収容所を取材した折の話
に移り、数枚の写真を示して解説してくださいました。さらにベルリンと名古屋の写真を見せてもらう予定でしたが、残念ながら時間切れになってしまいまし
た。でもとりわけ最後のベルリンの歴史モニュメントに関する活動についてはもっと伺いたかったところです。コロナトさんはまもなくベルリンに帰るので、懇
親会は彼女の送別会を兼ねて行い、歓談できました。
さて、今後の予定をお知らせしておきますのでメモしておいてください。そしてどうぞふるってご参集ください。
9月28日(土曜日)北海道大学にて日本独文学会研究発表会シンポジウム「フロイトの彼岸―精神分析、文学、思想」 本研究会メンバーによるシンポジウム(司会:土屋)
1.悪魔と人間―ゲーテ、グリム、フロイト 鶴田 涼子
2.世界の〈破れ目〉と回帰する身体―フロイトとカフカ 山尾 涼
3.カフカにおける虚構の死―フロイトの「死の欲動」との関連から 須藤 勲
4.集合的意識のアレゴリー―フロイトとベンヤミン 山本 順子
5.Freudの精神分析―フランスにおける受容と変容 鈴木 國文
10月5日(土曜日)16時より、作家Anna Kimさんの朗読会
アンナ・キムさんは韓国出身のドイツ語作家でウィーン在住の若手有力作家です。このたびオーストリア文化フォーラムの招待で約2週間日本に滞在します。
http://de.wikipedia.org/wiki/Anna_Kim
11月2日(土曜日)6名の越境作家たちによるシンポジウム「文学における間文化性―地域的、国民的、大陸的アイデンティティの諸相」科研費基盤研究B「ポストエスニック時代の文学におけるオムニフォンの諸相」による。
招待作家(アルファベット順):レオポルト・フェダマイア、アンナ・キム、テレツィア・モラ、イルマ・ラクサ、ザビーネ・ショル、多和田葉子
Leopold
Federmair, Anna Kim, Terezia Mora, Ilma Rakusa, Sabine Scholl , Yoko
Tawada (alphabetisch
geordnet).
詳しくは、上記「越境作家シンポジウム2013年」を参照してください。
11月18日(月曜日)18時より オーストリア作家Herbert Wimmerさんの朗読会
今年のオーストリア現代文学ゼミナール(野沢温泉ゼミ)の招待作家であるウィーン在住の作家・詩人ヴィマーさんの朗読会を行います。
なお、ゼミナールのほうは11月15−17日まで野沢温泉で行われます。こちらもふるってご参加ください。申し込みは早めにお願いします(本来は7月末まで)。
http://www.onsem.info/
また12月下旬には後期の本学客員教授・作家のSabine
Schollさんの朗読会を行います。
なお、私は9月1日から22日までウィーンに出張します。今回は学生の学外研修(フィールドワーク)を行うためです。
ではどうぞ充実した夏休みをお過ごしください。
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