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研究会活動案内(2011年度)

お知らせ(2012年3月26日)

 先週の研究会は無事終了しました。参加者の皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。『フロイトと独文学』(仮題)論集出版に向けて改めて相談しました。所用が重なって当初の予定よりも遅れ申し訳ありませんが、具体化に向けて一歩踏み出そうと思います。出版社からはやはり出版助成金を受けてほしいと依頼されているので、来年度の科研費研究成果公開促進費獲得に向けて動こうと思います。10月が申請時期なので、9月下旬までに論集の合冊を作成し、3つの出版社から見積書を取らなくてはなりません。そこで投稿される方は、下記の要領で執筆・送付してくださるようお願いします。またこの機会にぜひ参加・投稿したいという方はご一報ください。9月末までに論集として合冊製本し、出版助成に応募することになります。原稿は、あまり専門的な文体ではなく一般読者を想定したものにしてください。註などもできるだけ少なめにお願いします。写真・図版類は入れる方が興味深いのですが、版権の関係があるのでご相談ください。フロイトの引用は最新の岩波版『フロイト全集』からの引用でお願いします。また読者のために、最後に各論文に関連する参考文献をいくつか挙げてください。

1論文の締切り:2012年9月20日

2論文の枚数:約20頁:原稿の分量は,おひとり,注も含めて,20000字(400字詰原稿換算50枚)程度でお願いします。

 原稿作成上のお願い

 @原稿は縦書きで、ファイルと印字原稿(1部)でご準備ください。ファイルの方を「原本」としますので,印字原稿への加筆等は避けてください。ファイルと原稿の送付先:〒467-8501 名古屋市瑞穂区瑞穂町山の畑1 名古屋市立大学大学院人間文化研究科 土屋勝彦 

 Aできるだけ,「マイクロソフト・ワード」で文書作成をお願いします。MS明朝体の標準で、10.5ポイントなら1行40文字、1頁36行になるので、その形式でお願いします。「注」は,ワードの脚注機能を使用なさって結構です。「一太郎」ファイル,あるいは「テキスト・ファイル」でも大丈夫ですが,マック系のソフトを使用される場合は,ご相談ください。なお,注の書式等細かいことは,各位にお任せします。

 B「図」や「表」を伴う場合は以下のように対応をお願いします。

 ・本文中に図・表を入れて文書を作る。または,挿入個所にそのむね指示を書き込む。

 ・「図」を用いた場合,本文原稿とは別に,それぞれの「図」の画像のファイル(jpg など,または pdf)を準備する。

 ・「表」を用いた場合,本文原稿とは別に,それぞれの「表」のファイル(xls など)を準備し,更に加えて,それぞれの「表」の印刷画像のファイル(jpg など,または pdf)を準備する。ワードの「表」機能は使用しないでください。ただし、図版類には版権が生じますので、出版社と相談しなくてはなりません。

 C原稿の完成度については、まだそれほど重視しません。刊行助成が決まるまでに時間があるので、推敲は可能です。とりあえず第一次原稿を送付してください。

3構成:

 第一部:思想・文化におけるフロイトの意義

 河津邦喜:日本におけるフロイト受容の軌跡と意義―思想を中心として

 鈴木國文:フロイトと芸術

 土屋勝彦:越境文学とフロイト

 山本順子:フロイトの集団論―ヘンリー・ジェイムスを中心に

 

 第二部:フロイトと独文学

 中川佳英:ベンヤミン『親和力』とフロイト

 亀井一:ジャン・パウルとフロイトの機知論

 須藤勲:カフカにおける「主体」とフロイト

 山尾涼:カフカとフロイト―文化的ペシミズム

 福岡麻子:イェリネクにおける記憶と負の経験―フロイト『隠蔽記憶』に照らして

 鶴田涼子:小説の起源としての<家族小説>とメルヒェン―フロイトのDerFamilienroman der Neurotikerを手がかりに

 ・・・

 最後に、来年度からの研究会は、当面それぞれ興味深い作家・思想家の本を取り上げて報告していただき、皆で討論するという形式にしたいと思います。第一回は6月16日(土曜日)16時から、山尾涼さんにミシェル・フーコー『監獄の誕生』を取り上げて報告していただき、そのあと皆で討論します。本書は70年代に新潮社から出た田村訳がありますが、新訳はちくま学芸文庫のフーコー・コレクション・シリーズに収められています。今後取り上げたい本についてもどうぞご検討ください。

なお、メンバーの須藤君がめでたく今春より専任として就職が決まりました。懇親会は彼の送別会をかねて行いました。この場を借りてお祝い申し上げます。本当によかったですね。

 では今後ともどうぞよろしくお願いします。

お知らせ(2012年3月12日)

 以前お知らせした『フロイトと独文学』論集相談会は、3月24日(土曜日)17時から名市大1号館5階の国際文化学科会議室で行う予定です。ふるってご参集ください。年度末の懇親会も行います。

 さて、前回お知らせした芝居、シンメルプフェニヒ『昔の女』公演がいよいよ近づいてきました。

ぜひ大須の七ツ寺共同スタジオにお越しください。

http://nanatsudera.org/archives/341.html

 ・3月16日(金)19:30〜

 ・3月17日(土)14:00〜 / 19:30〜

 ・3月18日(日)14:00〜

 公演は、上記の4回のみで、いま予約すると一般前売りで2,800円、学生前売りは1,500円になります。ドイツの現代戯曲が名古屋で上演される機会はあまりありませんので、ぜひ一度ご覧ください。上演時間は1時間50分で、この地域の優れた俳優が集まり、面白い舞台になりそうです。

ご都合のよい日を大塚さん宛て返信してくださるとチケットを前売り料金で予約してもらえるそうです。上記のHPからでも前売りの申し込みができます。

お知らせ(2012年1月30日)

 先日の講演・朗読会は無事終わりました。参加者の皆さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。

オーストリア・ジャーナリストのユーディット・ブラントナー氏は、今執筆中の著書 "Ausser Kontrolle und in Bewegung. Reportage Japan"(Picus 2012) と、前著 "Kratzer im glaenzenden Lack. Reportage Japan"(Picus 2011) のなかから一節を朗読し、その後討論に移りました。前著では、2000年代の法政大学学生運動の報告やワーキングプア、ネットカフェ難民、ブラジル移民の現状から大江健三郎のインタヴューなど、いずれも日本社会の様々な様相が、愛情を持って批判的かつユーモアを交えて描かれています。そして新著では、東北大地震・津波と福島原発事故以後の日本の姿が様々な角度からとらえられており、原発事故後の状況の不透明さを語る原子力工学の専門家の意見や、苦境の中でひたむきに生きる人々の姿、村上春樹の最新インタヴューなど、今後の日本の方向性について示唆を得ることができます。なお両書は日本で翻訳出版する計画が進行中です。今回の朗読では、とくに日本の学生運動についての状況や、名古屋市立大学の学生たちの授業風景を通してみた現代学生たちの考え方が生き生きと描かれていました。

本研究会の今後の予定ですが、3月下旬にフロイト論集出版に向けての第二回相談会を行いたいと思います。また来年度は、ドイツ語圏からの客員教授・作家が来ないこともあり、研究発表と読書会を同時並行で行っていければと考えています。読書会で取り上げるものとしては、ニーチェ、アドルノ、フーコー、レヴィ・ストロース、ドゥルーズ・ガタリなどが挙っていますが、皆様のご意見をお待ちしています。それぞれ何か自分の研究につながるような思想家や作家を取り上げれば興味深いだろうと推察します。また研究発表の方は話題提供や予備的な発表などを期待しています。

お知らせ(2012年1月4日)

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、まず1月と3月に行われる戯曲上演のお知らせをします。大塚直さんが協力して作り上げた演劇作品です。同僚や学生たちにも大いに宣伝してください。

場所:七ツ寺共同スタジオ(大須観音駅2番出口から徒歩5分)

〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須2丁目27-20

tel. / 052-221-1318

http://nanatsudera.org/

アクセス:http://nanatsudera.org/archives/5.html


2012年1月21日(土曜)19:00 プレ・リーディング公演『アラビアの夜』&トーク「ドイツ演劇は今」(料金1000円)

『昔の女』上演

2012年3月16日(金曜)19:30

2012年3月17日(土曜)14:00 および 19:30

2012年3月18日(日曜)14:00

【作】ローラント・シンメルプフェニヒ

【演出】寂光根隅的父

【翻訳・ドラマトゥルク】大塚直(愛知県立芸術大学准教授)

【出演】

岸★正龍(猫足ウィローズ) 

おぐりまさこ(よこしまブロッコリー) 

中田裕子(俳優館)

伊藤早紀

岩田圭司(愛知県立芸術大学)

【料金】

一般前売2,800円 、一般当日3,300円

大学生前売 1,500円、大学生当日1,800円

高校生以下1,000円(前売・当日共)

(※発売開始 2012年1月13日(金))

紹介:大塚直(愛知県立芸術大学准教授)            

ローラント・シンメルプフェニヒは、今ドイツでもっとも頻繁に上演される流行劇作家であり、その作品は全世界40ヶ国以上の国々で人気を勝ち得ている。さらに彼は「ポストドラマ演劇」以降の新しい上演の可能性を「語りの演劇」として提唱してもいる。そんな彼の代表作が『昔の女 Die Frau von fr?her』(2004)だ。引越しの準備をする三人家族の 父親の許に突如、24年前に永遠の愛を誓った女性が何の前触れもなく現れて、軽妙洒脱なヴォードヴィルとして舞台は幕を開ける。しかし映画を思わせる手法で登場人物の心理と時系列は場を経るごとに錯綜し、次第に「昔の女」は復讐の魔女メデイアへと変貌、一家を恐怖と絶望に陥れてゆく……。

お知らせしましたように、残念ながらプレリーディングの日にはこちらの研究会があり、重なってしまいました。日程の調整・変更も考えましたが、あいにく他の土曜日は全て予定が入っており変更できませんでした。あしらからずご了承ください。

2012年1月21日16時―18時:

Judith Brandner: "Ausser Kontrolle und in Bewegung" und "Kratzer im glaenzenden Lack" - Vorstellung der beiden Buecher ueber Japan von der Autorin.

どうぞふるってご参集ください。

お知らせ(2011年12月13日)

 次回の研究会は来年1月21日に下記の要領で行う予定です。

 どうぞふるってご参集ください。

  講演と本の紹介(ユーディット・ブラントナーさん)

日時:2012年1月21日(土曜日)16時から18時まで

場所:名古屋市立大学山の畑キャンパス1号館(人文社会学部棟)国際文化学科会議室(5階515号室)

オーストリア・ジャーナリストのユーディット・ブラントナー(Judith Brandner) さんに、今執筆中のご著書 "Ausser Kontrolle und in Bewegung. Reportage Japan"(Picus 2012) の紹介と、前著 "Kratzer im glaenzenden Lack. Reportage Japan"(Picus 2011) のなかから朗読していただき、その後討論します。いずれも日本社会の様々な様相が、愛情を持って批判的かつユーモアを交えて描かれており、興味深いものです。とくに新しい本では、東北大地震・津波と福島原発事故以後の日本の姿が様々な角度からとらえられており、苦境の中でひたむきに生きる人々の姿など、感動を呼び起こすことでしょう。また現代作家の村上春樹への最新インタヴューも含まれています。会の後、懇親会もあります。

彼女のHPは、http://www.judithbrandner.at/ です。


Einladung zum Vortrag von Judith Brandner (oesterr. Journalistin):

"Ausser Kontrolle und in Bewegung" und "Kratzer im glaenzenden Lack" - Vorstellung der beiden Buecher ueber Japan von der Autorin.

Zeit: von 16 bis 18 Uhr am 21. Januar 2012

Ort: Raum 515, im ersten Gebauede (Human- u. Sozialwissenschaftlichen Fakultaet), Yamanohata-Campus

http://www.judithbrandner.at/

お知らせ(2011年12月1日)

 今週末下記の発表会がありますので、ゲルマニスト以外の方もご関心の向きはぜひごお出でください。関口さんの発表もあります。

日本独文学会東海支部冬期研究発表会

日時:12月3日(土曜日)14時から(おそらく発表は14時半以降)

場所:中京大学 名古屋キャンパス0号館(センタービル)2階 ヤマテホール

総会

研究発表

1)林 久博:『若きヴェルターの悩み』におけるオシアンの歌

2)関口裕昭:ユダヤの傷としての引用―フロイト、カフカからツェランへ

3)Alexander IMIG: Vom Nutzen des Gemeinsamen Europaeischen Refernzrahmens (GER) fuer den Deutshunterricht in Aichi

講演とワークショップ

Markus RUDE: Funktionen der Prosodie, ein Vorleseexperiment und prosodisches Aussprachetraining.

お知らせ(2011年11月24日)

 先日の朗読会は無事終了しました。平日で寒い日でしたが、参加してくださった方々には心よりお礼申し上げます。

 Einzingerさんの朗読は、力強く心がこもっていて、たんにテクストを読んでいるよりも意味が明確になり表象が浮かんでくる感じがしました。これこそが朗読会の魅力でしょう。とくに詩的テクストは朗読法によって受け取り方がかなり違ってくるので、パフォーマンスとしての朗読が重要なモメントになります。オーストリアでは、亡くなったErnst JandlやH.C.ArtmannといったWiener Gruppeに近い詩人たちが卓越した朗読者として定評がありましたが、彼もその伝統を受け継いでいる印象を得ました。アインツィンガーの作品には小説と詩がありますが、小説といっても構造化されたロマンではなく、様々のエピソードやアネクドーテがコラージュされており、それらがあたかも万華鏡のごとく響き合っている様相を呈しています。またオーストリア特有の言葉や造語が見られ、ローカルな事柄や上部オーストリアのエトスがふんだんに盛り込まれ、ユーモアを醸しだしており、語り手の位置づけも背景に退いたり、ときに直接顔を見せつつ読者に語りかけます。文体はアバンギャルドではなくオーソドックスですが、文脈をよくとらえないとそのユーモアやイロニーを読み取るのが難しい面があります。細部描写にこだわりつつ、具体的な風景や形象がときに夢幻的な世界へと変容し、非現実と現実とが奇妙に混ざり合いながら、結末は収束するというよりも開かれていて、読者は様々の方向に創造力を広げていけます。彼自身、1970年代の新主観主義文学の旗手であったブリンクマンのカットアップ手法から大きな影響を受けたと言っています。その後の懇親会でも歓談しましたが、そのおおらかで闊達なお人柄のため、大いに盛り上がりました。

 さて、次回の研究会ですが、年末までまだ何かと慌ただしいので少し延期させてください。来年1月中旬以降、ブラントナーさんに「オーストリアのジャーナリズム」について発表していただき、フロイト論集相談会は年度末の来年3月に行う予定です。どうぞご了解ください。

お知らせ(2011年11月7日)

下記の要領で作家朗読会を行いますので、どうぞふるってご参集ください。


作家朗読会(オーストリア大使館文化フォーラム後援)

日時:11月21日(月曜日)18時から19時半まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部棟(1号館)国際文化学科会議室(5階515号室)

オーストリア作家 Erwin Einzinger氏の朗読・討論会


オーストリアの中堅作家Erwin Einzinger氏(オーストリア大使館およびオーストリア現代文学ゼミナールの招待作家)を迎えて、その最近作を朗読していただき、合わせてオーストリア現代文学を巡る状況について討論します。(使用言語:ドイツ語)

彼のHPは下記を参照してください。

Einladung zur Lesung von Erwin Einzinger

Zeit: von 18 bis 19.30 Uhr am 21. November 2011

Ort: Situngsraum (Raum 515) der Abteilung fuer internationale Kulturwissenschaft (School of Humanities and Social Sciences, Nagoya City University)

http://www.erwineinzinger.com/

http://de.wikipedia.org/wiki/Erwin_Einzinger

http://www.onsem.info/

お知らせ(2011年10月24日)

 先日の講演会は無事終了しました。他の会合と重なりご都合のつかない人もいましたが、ドイツ人留学生たちも参加したので、何とか充実した会になりました。ご参加いただいた方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。

 ユーディット・ブラントナーさんは、韓国出身のドイツ語作家 Sohn Young(代表作"Leimkind")、チェコ出身のドイツ語作家 Michael Stavaric(代表作"Brenntage")、ブルガリア出身のドイツ語・ブルガリア語・スペイン語作家 Zwetelina Damjanova-Ortega (代表作"As und Tu")、Sina Tahayori (代表作"Orient-extrem")という4名の越境作家たちを紹介されました。 ここ3年ほどの間に20名にのぼる越境作家にインタヴューし、ラジオ番組で放送・紹介した作家たちの一部です。いずれの作家たちも、その生い立ちや経歴、歴史的背景は違うものの、オーストリアに移住し「異質さ」と「異邦人性」を感じとり、その後ドイツ語作家になった人たちです。寡黙な作家からユーモアあふれる陽気な作家まで性格はさまざまですが、文学創造への意欲とドイツ語と格闘するその真摯な姿勢に心をうたれました。ウィーンの出版社 edition exilの編集長 Christa Stippinger さんが、一人でこうした越境作家たちを発見し、作品を出版し支援してきたそうです。そこからVladimir VertlibさんやDimitre Dinevさんのようなシャミッソー賞を受賞して大手の出版社に進出していく作家たちも現れてきました。今回のお話で、こうした越境作家たちの生き方や作品世界に触れる貴重な機会になったことと思います。

ブラントナーさんのHPは、http://www.judithbrandner.at/ です。

また越境作家インタヴューの一部は Andernworts. Deutsch schreiben - mehrsprachig denken で聴けます。 http://www.judithbrandner.at/werke/radio


 さて、次回の研究会ですが、11月18−20日野沢温泉でのオーストリア現代文学ゼミナールの招待作家であるErwin Einzingerさんの朗読会を、11月21日(月曜日)に行う予定です。時間は18時頃に設定して、皆さんも参加しやすい時間帯にするつもりです。手帳などにメモしておいてください。

お知らせ(2011年10月13日)

 先日お知らせしましたが、下記の要領で講演討論会を行いますので、

 どうぞふるってご参集ください。その後懇親会も行います。

日時:10月22日(土曜日)16−18時

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(1号館、515号室)

講師:ユーディット・ブラントナー(オーストリア・ジャーナリスト、本学客員教授)

題目:オーストリアの越境作家たち


Einladung zum Vortrag von Judith Brandner:

Zeit: von 16 bis 18 Uhr am 22. Oktober 2011

Ort: Raum 515 (Sitzungsraum der Abteilung fuer internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya: Yamanohata-Campus)

Thema: Transnationale AutorInnen in Oesterreich

お知らせ(2011年10月1日)

 秋らしくなりましたが、ご健勝のことと拝察します。もうすでに後期の授業も始まり、慌ただしい日々をお過ごしのことと思います。


 わたしは9月18日に無事ウィーンから帰国しました。学生たちも無事に研修を終えることができて一安心したところです。まだこれからその報告書の作成作業が残っていますが。


 さて、後期最初の研究会を、10月22日(土曜日)16時に行いたいと思います。9月下旬に来日した本学の客員教授でジャーナリストのユーディット・ブラントナーさんにご講演をお願いしました。テーマは、オーストリアにおける越境作家たちについてです。オーストリア放送局のラジオ番組で、20名にのぼる越境作家たちにインタヴューを行い、それをシリーズとして放送した経験を踏まえて、今回とくに若手の作家たちに焦点を当ててお話ししていただく予定です。

 また彼女が今年出版したルポルタージュ本"Reportage Japan" (Picus Verlag)は好評のうちに迎えられました。名古屋には4ヶ月間、来年の1月末まで滞在する予定です。


彼女のHPは、http://www.judithbrandner.at/ です。

製作番組としては http://www.judithbrandner.at/werke/radio をご覧ください。


Hiermit moechte ich Sie (euch) herzlich zum Vortrag von Judith Brandner einladen:

Zeit: um 16 Uhr am 22. Oktober 2011

Ort: Raum 515 (Sitzungsraum der Abteilung fuer internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya: Yamanohata-Campus)

Thema: Transnationale AutorInnen in Oesterreich

お知らせ(2011年8月14日)

 先週の『哲学への権利』上映会と討論会は無事終了しました。この映画の監督である西山さん、コメンテーターの寺田さん、別所さんはじめ、参加してくださって方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。

 デリダの思想を活かして設立された国際哲学コレージュのドキュメンタリー映画は、今後の人文学の意義や方向性を明確に提示するものとして、大きなインパクトのあるものでした。とりわけその開かれた学へのあり方は、大学という制度と在野の学者・研究者の自主的な集会との差異を超えて、市民との開かれたフォーラムをいかに形成するかについて示唆を与えてくれます。また、「領域交差」と「学際性」との違いや、常に問い直すことによって抵抗の場を与えるというコレージュの理念は、「脱構築」という概念が決して破壊ではなく、新たな知の枠組みを展開しようとする運動だということが分かります。さらには、人文学が何の役に立つかについても種々の意見交換がなされのも有意義でした。今後、授業実践の場でもこのような根源的な教育・研究への問いかけがなされダイナミックな知的交流が続けられるよう願っています。

西山さんが今回の報告・討論会をご紹介されています。

http://www.comp.tmu.ac.jp/nishiyama/pg125.html

http://www.comp.tmu.ac.jp/nishiyama/pg143.html

 さて、本研究会はしばらく休みになりますが、また10月から始めたいと思いますので、ご協力どうぞよろしくお願いします。またフロイト論集に向けての原稿執筆も引き続きお願いします。

 私は、8月末から9月中旬にかけて3週間、初めての学生引率でウィーン研修に出かけます。

まだまだ猛暑が続きますが、皆様どうぞご自愛ください。

本の紹介(2011年7月26日)

 メンバーの関口裕昭さん(明治大学)が、ツェラン研究書3部作の最後を飾る、浩瀚なご著書『パウル・ツェランとユダヤの傷』(慶應義塾大学出版、6,800円)を上梓されました。これは京都大学で文学博士号を取得された論文をもとにしたもので、まさに渾身のツェラン研究書といえます。関口さんには、長年の研究成果がこのようなすばらしい本に結実したことを心よりお祝い申し上げるとともに、今後のさらなるご活躍を願っています。

さて、その内容ですが、構成は下記のようになっています。

第1章 薔薇 パウル・ツェランという傷

第2章 アーモンド ツェランとマンデリシュタームの対話

第3章 アウシュヴィッツ ベンヤミン、アドルノと対峙するツェラン

第4章 シェヒナー、あるいはユダヤの母なる存在

第5章 モーセ、あるいはユダヤの父なる存在 フロイトとカフカを読むツェラン

第6章 カバラ ツェランとゲルショム・ショーレム

第7章 エルサレム 「エルサレム詩編」を読む

結語 子午線 円環を描く言葉の道筋

補遺 その他のユダヤ人たち


 ツェランの詩作に見られる「迫害と流浪を強いられたユダヤ人の歴史への、永続する、拡散しながらも「痕跡」として残る、ひりひりするような『記憶の傷』」を求めて、膨大な一次資料と最新の研究成果をもとに考究した、まさに記念碑的な研究書です。ぜひ研究室や図書館に所蔵され、後進の研究者たちに伝えていくべき図書として強く推薦したいと思います。私もゆっくりと拝読するつもりです。


  もう一つ、メンバーの鈴木仁子さん(椙山女学園大学)がゼーバルト・コレクション全6冊(白水社)のうち、『移民たち』『目眩まし』『土星の輪』『空襲の文学』に続き、第5回配本『カンポ・サント』を出版されました。この後第6回配本の『アウステルリッツ』改訳版で完結します。それぞれの解説を、堀江敏幸、池内紀、柴田元之、細見和之、池澤夏樹、多和田葉子という錚々たる評論家・作家が担当しています。どの巻をとっても、作家および評論家ゼーバルトの真骨頂が見られるすばらしい本です。。『カンポ・サント』は、コルシカ島訪問記に始まり、ハントケ、グラス、ヒルデスハイマー、カフカ、ナボコフなどの作家論、美術館や博物館訪問などのエッセイを集めた散文集であり、どれもゼーバルトらしい歴史観や連想と暗示に満ちた魅力的なものです。ご関心の向きは、ぜひ手にとってご覧ください。

お知らせ(2011年7月25日)

先日のJudith Zanderさんの朗読・討論会は無事終了しました。

ご参加くださった方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。

ザンダーさんは、500頁近い大部の「自伝的」小説『Dinge, die wir heute sagten』の一部と、詩集『oder tau』の中から3編の詩を朗読しました。この小説は、ポーランド国境に近い東ドイツの地方からベルリンに出て、故郷の母親の死をきっかけに、20数年ぶりにアイルランド人の夫と息子と一緒に帰郷する女性主人公の視点のみならず、村の様々の人物たちの視点から、Vorpommern地方の村の風土と歴史を描き、東ドイツの歴史に翻弄された親子3世代にわたる葛藤と風景が鮮やかで適確な言語表現で描出されています。ここでは70年代のアンチ郷土小説の系譜を断ち切り、むしろ失われつつある牧歌とその没落を静謐なタッチで複眼的に描いており、その複層的な構成力と言語表現の巧みさにより、2010年度のドイツ図書賞にノミネートされました。詩編は、言語遊戯と引用、暗示を駆使した難解な(実験的)ヘルメス詩ですが、移りゆく様々の表象を展開しながら、とても音楽性に富むものでした。

討論では、小説における複雑な人物関係と歴史的背景に関する質問から、壁の崩壊時に9歳だった彼女の経験を踏まえて、東ドイツから統一ドイツへの道のりを踏まえつつ、作家になる経緯についても自由にお話しくださいました。とくにライプツィヒ大学の文学創作学科での文学修行の様子などは興味深いエピソードでした。また今後の計画として定型詩による詩作を考えているとのことでした。

では次回、8月11日の映画『哲学の権利』と講演討論会にもぜひご参集ください。

お知らせ(2011年7月13日)

 今年の集中講義で来られる西山雄二さんの映画上映および講演討論会を、下記の要領で国際文化学科主催で行いたいと思います。集中講義の期間は8月8−12日です。ふるってご参集ください。


映画『哲学への権利』上映会および講演・討論会(国際文化学科主催)

日時:8月11日(木曜日)15時―18時

場所:名古屋市立大学1号館(人文社会学部棟)201号教室
(山の畑・滝子キャンパス)

映画上映:15時―16時半 

講演と討論:16時40分―18時


講演者:西山雄二(首都大学東京・仏文・准教授)

コメンテーター:土屋勝彦(司会)、寺田元一、別所良美(本学教員)

西山さんは、一橋大学言語社会研究科にてブランショ論で博士号を取得され、最近『哲学への権利』(勁草書房)を出版し、自ら監督されたこの映画を世界および日本各地で上映し討論を続けてこられた新進気鋭のフランス思想研究者です。大学制度を越える新しい知のあり方をフランスの国際哲学コレージュのドキュメントとして追求し、デリダの脱構築の思想を体現したコレージュの活動を、関係者のインタヴューを通して明らかにしています。大学制度を越えて、一般市民と研究者、作家、芸術家、精神分析家、技術者などが直に向き合いながら討論を重ねていく、開かれた無料のワークショップとセミナーで構成されるコレージュの活動は、今後の学術教育の方向を考える上でも大いに啓発されるものです。本映画の反響は大きく、世界中で多くの学者や学徒、学生、市民たちにインパクトを与えています。

なお、この企画は集中講義の受講生(約50名)とともに、集中講義の一貫として、広く一般市民の方々にも呼びかけ参加してもらおうというものです。201号室が授業の行われる教室にもなっています。

この機会に、ぜひ多数ご参加くださるようお願いします。


なお、ご参考までに、西山さんの下記HPをご覧くださると幸いです。

映画『哲学への権利』HP: http://rightphilo.blog112.fc2.com/

首都大学東京仏文学Blog: http://tmufr.blog130.fc2.com

お知らせ(2011年7月6日)
 
お知らせしましたように、下記の要領で作家朗読会を行いますので、どうぞふるってご参集ください。

作家朗読会 ユーディット・ツァンダー Judith Zander


日時:7月23日(土曜日)16時から18時まで

場所:名古屋市立大学1号館(人文社会学部棟)国際文化学科会議室(5階515号室)

作家:Judith Zander

紹介:Ann Cotten


新進気鋭の若手作家ツァンダーさんの朗読会です。2010年の処女小説によりドイツ図書賞にノミネートされました。今回はゲーテインスティトゥートの招きで来日し、友人のアン・コットンさんのもとに少し滞在するので、この機会に、名古屋でも朗読会を開きます。初めにコットンさんから彼女を紹介していただきます。

http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7690305v.htm

http://www.goethe.de/ins/jp/tok/jaindex.htm


Herzlich Willkommen zur Lesung von Judith Zander

Einfuehrung von Ann Cotten

Judith Zander, D

Judith Zander wurde 1980 in Anklam geboren und lebt in Berlin. Sie studierte Germanistik, Anglistik und Geschichte in Greifswald und anschlie?end am Literaturinstitut in Leipzig. Seit 2009 lebt sie als freie Schriftstellerin in Berlin.

Lyrik - Prosa - Uebersetzungen

Zander schreibt Lyrik und Prosa und uebersetzt. Die Autorin veroeffentlichte ihre Texte in Zeitschriften und Anthologien, u.a. in edit, manuskripte und wespennest.

Veroeffentlichungen

Lyrik von Jetzt Zwei. Berlin Verlag 2008.

Neubuch. Neue junge Lyrik. yedermann 2008.

Der Roman Dinge, die wir heute sagten erscheint im Herbst 2010 bei dtv.

Ein Band mit Uebersetzungen des amerikanischen Lyrikers Bob Hicok ist in Vorbereitung und erscheint im Fruehjahr 2011 bei Luxbooks.


Auszeichnungen

Lyrikpreis beim 15. open mike 2007.

Stipendium der Kulturstiftung Sachsen im Edith-Stein-Haus 2008.

Stipendium des Kuenstlerhauses Lukas in Ahrenshoop 2008.

GEDOK-Stipendium im Atelierhaus Luebeck 2009.

Johann-Joachim-Christoph-Bode-Stipendium des Deutschen Uebersetzerfonds 2010.

Stipendium Sinecure in Landsdorf 2010.


http://de.wikipedia.org/wiki/Judith_Zander

http://www.dtv.de/autoren/judith_zander_13894.html

http://bachmannpreis.eu/de/autoren/2305

お知らせ(2011年6月28日)
 日本独文学会東海支部の研究発表会が下記の要領で行われます。ご関心の向きはぜひご参集ください。ゲルマニスト以外の方でも参加は可能です。

メンバーの山尾さんの発表や、詩人Ann Cottenさんの講演もあります。

日本独文学会東海支部夏期研究発表会

日時:7月9日(土曜)14時より

場所:名古屋大学 文系総合館7階カンファレンスホール

研究発表会

1 土屋洋二「ペーター・フーヘルの抒情詩―自然詩から現代詩へ

2 山尾 涼「生/性が否定的表象と結びつく時―フランツ・カフカの短編小説をめぐって

3 大河内朋子「現代の日本におけるドイツ文学受容の一断面について―非文字メディアにおける創作を手がかりにして

招待講演

 Ann Cotten: Konkrete Eigenschaften der Konkreten Poesie und ihr Fortleben in anderen Dichtungsformen

また当日13時よりゲーテ書房による書籍展示が705号室で行われます。

場所は、下記参照(B4-4:名古屋大学文学部の裏手 7階建ての建物)

http://www.nagoya-u.ac.jp/global-info/access-map/higashiyama/

お知らせ(2011年6月27日)
 下記の要領で『反響する文学』出版を記念して合評会・意見交換会を行いますので、ふるってご参集ください。

名古屋市立大学人間文化研究所主催マンデーサロン

「響き合う文学的創造力―人間文化研究叢書創刊号『反響する文学』刊行を記念して」

日時:7月11日(月曜)16時30分から18時まで

場所:名古屋市立大学1号館(人文社会学部棟)1階会議室

講師:土屋勝彦、田中敬子、谷口幸代、山本明代(人間文化研究科教員)

コメンテーター:佐野直子、小林かおり(人間文化研究科教員)

 越境的な文学や移民・亡命文学の諸相を、異邦人性、アイデンティティの揺らぎ、規範的国民文学への反抗と超克、文化的衝突と融合のプロセス、混成的表現形式の確立などの視点から再考察し、「世界文学」への展望を開く。

どうぞよろしくお願いします。

お知らせ(2011年6月21日)

 先日の研究会は無事修了しました。発表者の河津さんはじめ、参加してくださった皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

 河津さんのご発表は、広いパースペクティブからフロイトの日本における受容を跡付け、その意味を探るとても興味深いものでした。フロイトが戦後日本に与えた影響として、西洋人と日本人との精神的相違を説明する図式を提供し、文学研究において柄谷行人、浅田彰、蓮見重彦たちが明治以後の日本文学に対して「エディプス期に母なる自然を喪失し父なる超越的法の前に挫折するというある種のトラウマ体験によってこそ個人は主体化する」というフロイト理論を援用した。フロイトの『性欲論』は、「人間は本能が壊れており、幼児期において『多形倒錯』しており、社会化により異性愛への囲い込まれるだけで、無意識の領域に残り続け、ふいに表出する」という理論を考えさせ、現代思想や文学芸術に影響を与えた。ドゥルーズは多形倒錯や祝祭的革命によるアナーキーな状態は、暗黒ではなく、分子レベルの多様な秩序が交替し続ける状態だとする。フロイトが戦後の日本思想や芸術研究に大きな影響を与えたのは、既存の社会文化へのラディカルな批判になりえたという背景がある。その例をニーチェやフロイトから着想を得た吉本隆明の評論活動に見いだせる。しかし2000年代以降そうした「ラディカルな批判」が可能であった時代から、新しい制度を設計する英米系の「政策提言の時代」に入り、ポストモダンの思想家たちも英米系の政治哲学に関心が向かっていく。仲正昌樹や大澤真幸などの「変異」もその文脈で見ることができる。いずれにせよフロイト思想の影響力はこうしたポストモダン時代に終わったのではないか。しかしデリダやフーコーの思想が社会変革につながらなかったとしても、ドゥルーズのマイナー文学論や『アンチ・オイディプス論』の多様体論が、ネグリとハートの『マルティチュード』の社会政策的な提言につながった。日本のフロイト理論援用に欠けていたのは、このドゥルーズ的なラディカリズムと1990年以降の社会状況の変化と和解させるための理論的営為ではなかったか。・・・

 以下詳細は省略しますが、アメリカでは、すでに心理療法や心理学でもオカルト学と見なされているほど退潮したフロイト理論であるが、それはジョン・ロールズやドゥウォーキンらの現実路線に重要性を見出したからであり、日本でも危機感からアメリカの政治哲学に向かっていったとのことです。議論では、ドゥルーズのいうモル的なレベルと分子的なレベルの差異について、分子的多様体について、領域化と再領域化について、マゾヒズムの社会的止揚とは、など、種々の質疑応答がなされました。また、こうした戦後日本のフロイト受容の大きな流れを踏まえて、されどもフロイトを問題にしていく姿勢についても意見交換しました。ノスタルジーではなく、「文学研究とフロイト」という枠組みでさらに何を論じるべきかについて今後再検討していきたいものです。


 さて、次回は7月23日(土曜日)に作家Judith Zanderさんの朗読会を予定しています。またどうぞふるってご参集ください。

http://de.wikipedia.org/wiki/Judith_Zander

お知らせ(2011年6月7日)

今年度(11月)のオーストリア現代文学ゼミナールの招待作家は、Erwin Einzingerさんです。オーストリアではすでに中堅作家として地歩を固めている作家で、その多彩な作品世界はきっと興味深い地平を開いてくれると思います。この機会にぜひ野沢温泉での本ゼミナールにご参加ください。また当該作家の作品についてご報告してくださる方も募集しています。この機会にぜひお願いします。

http://de.wikipedia.org/wiki/Erwin_Einzinger

http://www.erwineinzinger.com/

申し込みは、下記HPから行うことができます。

http://www.onsem.info/


では来週土曜日(6月18日)の研究会のほうも、ふるってご参集ください。

フロイト論集刊行の実現に向けても意見交換したいと思います。

お知らせ(2011年5月30日)

次回の研究会を下記の要領で行いますので、どうぞふるってご参集ください。

日時:6月18日(土曜日)16時から18時

場所:名古屋市立大学人文社会学部棟(1号館)国際文化学科会議室(5階、515号)

河津邦喜氏(フランス哲学):「カフカ論におけるジル・ドゥルーズのフロイト批判―日本における文学研究とフロイト」

 フロイト論集の出版に向けて、河津さんに上記のテーマで自由にお話ししていただきます。参考文献として、河津さんの「ドゥルーズ・ガタリのカフカ論解説とドゥルーズのマゾッホ論解説」を添付しますので、ご一読くだされば幸いです。

お知らせ(2011年5月23日)
土曜日のXaver Bayerさんの朗読会は、無事終了しました。参加してくださった皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。当日は、Federmairさんの適確なご紹介の後、3つの小品が朗読され、様々の観点から質問が出され、バイヤーさんもそれぞれ誠実に答えてくれました。オーストリアの若手作家の問題意識が伺われて、興味深かったと思います。とくに若い人々の新しい感性がよく描かれており、旧世代の作家たちとは異なる時代意識と世界観、人生観に触れるよい機会になりました。語り手は、世界に正面から向かい合うよりも、現実や事象、あるいはまた自己に対してアイロニーに満ちた距離を取り、逃走の線を引いていきます。日常の表層を軽やかに歩みながら、因果性や論理性から遠ざかりつつ、幻像と現実の狭間に揺れていきます。そこに乾いた叙情性とも言うべき距離感や疎外感が広がり、かといって深刻な社会的テーゼのようなものは見えてきません。この独特の遊戯性と自己アイロニーの混淆する「物語」は、少しロードムーヴィーの展開に似ているところもあり、その行方は茫漠たる明るい混沌のなかに潜入していくようです。

 また朗読会および懇親会にはAnn Cottenさんも参加されて、話がさらに盛り上がりました。

 次回の研究会は、6月にフロイトをめぐって、どなたかに発表をお願いするつもりです。また7月後半には、Ann Cottenさんの友人の女性作家が来日するので、また朗読会を行う予定です。

またどうぞよろしくお願いします。

作家朗読会のお知らせ(2011年4月27日)
土曜日の朗読会は無事終わりました。若いゲルマニストの皆さんが参加され、創作をめぐって有意義な意見交換もできました。アン・コットンさんは、自作朗読のほか、叙情詩に関するエッセイを紹介し、さらにベルリンの前衛ロックグループのCD紹介、若手詩人グループの活動状況など、ベルリンの作家活動についても興味深くお話しくださいました。

さて、次回の研究会はさらにまた別の作家朗読会です。


作家朗読会 在日オーストリア大使館文化フォーラム後援

日時:5月21日(土曜日)16時―18時

場所:名古屋市立大学人文社会学部棟 国際文化学科会議室(5階515号室)


作家紹介:レオポルト・フェダマイアー(作家・翻訳家・広島大学教授) Leopold Federmair

招待作家:クサーヴァ・バイヤー(オーストリア作家) Xaver Bayer


 バイヤーさんはこのたびオーストリア文化フォーラム(オーストリア大使館)の招待で来日し、2週間ほど日本各地で講演・朗読会を催す予定です。彼はオーストリア現代若手作家のなかで最も注目されている作家のひとりです。今回は、フェダマイアーさんがはじめに作家紹介を行います。どうぞお誘い合わせの上、ふるってご参集ください。


Herzliche Einladung zur Lesung von Xaver Bayer

(unterstuetzt von Kulturforum der oesterreichischen Botschaft in Tokio)

Zeit: von 16 bis 18 Uhr am 21. Mai 2011

Ort: Raum der Abteilung fuer die internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya (Raum 515, 5 Stock)


Wir freuen uns auf Ihre Teilnahme an der Lesung !


Einfuehrung: Leopold Federmair (Autor, Uebersetzer, Professor an der Hiroshima-Uni)

Lesung: Xaver Bayer (Autor)

Veranstalter: Masahiko Tsuchiya an der Staedtischen Universitaet Nagoya


http://de.wikipedia.org/wiki/Leopold_Federmair

http://de.wikipedia.org/wiki/Xaver_Bayer

http://www.jungundjung.at/

http://zehnseiten.de/start.php?dl=1&id=20

http://www.zeit.de/online/2008/25/interview-xaver-bayer

Xaver Bayer (* 5. Mai 1977 in Wien) ist ein oesterreichischer Schriftsteller.

Nach dem Studium der Philosophie und Germanistik arbeitet er als Schriftsteller in Wien.
2008 wurde Bayer mit dem Hermann-Lenz-Preis ausgezeichnet, nachdem er bereits 2002 ein Hermann-Lenz-Stipendium erhalten hatte.

Werke:

Heute koennte ein gluecklicher Tag sein (Roman, 2001) (TB 2003 ISBN 3-518-45522-2)

Die Alaskastra?e (Roman, 2003) (TB 2005 ISBN 3-518-45707-1)

Als ich heute aufwachte, aufstand und mich wusch, da schien mir ploetzlich, mir sei alles klar auf dieser Welt und ich w?sste, wie man leben soll (Theaterstueck, 2004) ISBN 978-3902113276

Weiter (Roman, 2006) ISBN 978-3-902497-12-3

Das Buch vom Regen und Schnee (Prosa, 2007, mit Lithographien von Martha Jungwirth) ISBN 3-900-678-90-1

Die durchsichtigen Haende (Erzaehlungen, 2008) ISBN 978-3-902497-42-0

Wenn die Kinder Steine ins Wasser werfen (Erzaehlung, 2011) ISBN 978-3-902497-87-1  


朗読会会場変更のお知らせ(2011年4月21日)
 4月23日の朗読会の会場ですが、私の不手際で、名古屋哲学研究会の会場と重なっていました。当日の会場を同じ5階の504号セミナー室にします。どうぞよろしくご了解ください。

詩人アン・コットン氏朗読・懇話会

日時:4月23日16時ー18時

場所:名古屋市立大学1号館(人文社会学部棟)5階504号セミナー室

 今週土曜日のコットンさんの朗読会テクストをお送りします。この中から適宜選んで朗読していただきますので、あらかじめいくつかご覧いただければ幸いです。このうち"Swantje2"は、詩学的なエッセイであり彼女の思考がよく現れています。場合によっては適宜通訳いたします。お知らせしましたように、場所は人文社会学部棟の504セミナー室です。お間違えのないようお願いします。

 では、皆様にお目にかかれるのを楽しみにしています。

Herzliche Einladung zur Lesung von Ann Cotten

Zeit: von 16 bis 18 Uhr am 23. April 2011

Ort: Raum 504 im Gebaeude der Human- u. Sozialwissenschaftlichen Fakultaet an der Staedtischen Universitaet Nagoya

朗読会のお知らせ(2011年4月4日)
 いよいよ新学期が始まります。今年度もどうぞよろしくお願いします。

 さて、詩人・作家のAnn Cottenさんが本学客員講師として来日し、4ヶ月間の予定で、前期の授業を担当します。早速この機会に彼女の朗読会を下記の要領で行おうと思いますので、お誘い合わせの上、どうぞふるってご参集ください。その後の懇親会の方も参加してくださると幸いです。


 朗読・懇話会

日時:2011年4月23日(土曜日)16時より

場所:名古屋市立大学人文社会学部棟(1号館)国際文化学科会議室(515号室)

作家:アン・コットン

 コットンさんは、アメリカ人のご両親と幼い頃にウィーンに移住し、現在ベルリンに在住するバイリンガル越境詩人・作家です。若くしてすでに5冊の作品を発表し、いくつか文学賞をも受賞した新進気鋭の現代詩人です。今回はドイツ語と英語両方の詩作品を紹介します。

http://en.wikipedia.org/wiki/Ann_Cotten

http://de.wikipedia.org/wiki/Ann_Cotten

Cotten kam mit fuenf Jahren mit ihrer Familie nach Wien[1]. Sie schloss ihr Germanistik-Studium 2006 mit einer Arbeit ueber ?die Listen der Konkreten Poesie“[2] ab, in der sie u. a. die ?Eigendynamik der Liste als [...] Machtinstrument eines Systems“[2] nachzuweisen versuchte. Nachdem sie auf Poetry Slams als Dichterin in Erscheinung getreten war und Gedichte sowie Prosa in Literaturzeitschriften und Anthologien veroeffentlicht hatte, erschien 2007 der Gedichtband Fremdwoertersonette im Suhrkamp-Verlag. Cotten war Mitglied im Forum der 13 und trat auch als ? durchaus streitbare ? Literaturtheoretikerin[3] in Erscheinung, die sich fuer die durch ?Literatur vermittelte Erkenntnis [...] kognitiver Prozesse [...] in der Tradition experimenteller Poetiken“ interessiert[2]. Cotten lebt als Schriftstellerin und Uebersetzerin in Berlin.

Werke:

Fremdwoerterbuchsonette. Suhrkamp, Frankfurt/M. 2007, ISBN 978-3-518-12497-0.

Nach der Welt. Die Listen der konkreten Poesie und ihre Folgen. Klever, Wien 2008, ISBN 978-3-902665-01-0.

Glossarattrappen. AusnahmeVerlag, Hamburg 2008, ISBN 978-3-940992-09-3.

Das Pferd. SuKuLTuR, Berlin 2009 (= ?Schoener Lesen“ Nr. 84), ISBN 978-3-941592-03-2.

Florida-Raeume. Suhrkamp, Frankfurt/M. 2010, ISBN 978-3-518-42132-1.

Auszeichnungen

2008: George-Saiko-Reisestipendium

2008: Clemens-Brentano-Preis

2007: Reinhard-Priessnitz-Preis

 また、このたび名古屋市立大学人間文化研究科・研究叢書の創刊号として、風媒社から『反響する文学』が刊行されました。『越境する文学』(水声社、2009年)の続編として、本書では、フランス語圏、英語圏、ドイツ語圏、東欧語圏、日本語圏における越境的な文学や移民・亡命文学等の諸相を、他者性の保持とアイデンティティの揺れ、規範的な国民言語・文学への反抗と超克・革新、また文化的衝突と融合のプロセス、混成的な表現形式の確立などの観点から再考し、響き合うインターテクスト性のあり方を問い直すことによって、「移民・亡命文学」や「ポストコロニアル文学」から「世界文学」への展開と可能性を探究しようとしています。どうぞ手にとってご高覧ください。

『反響する文学』(土屋勝彦編、風媒社、2011年3月発行、全264頁、2400円)

目次:

はじめに

鵜戸聡:アラブ・フランコフォニーと越境の文学

中村隆之:グリッサン、フォクナー、サン=ジョン・ペルス

田中敬子:フォクナーの『寓話』と越境

山本明代:アメリカ合衆国スロヴァキア系集団の祝祭

谷口幸代:多和田葉子の鳥類学

井上暁子:わたしの語り、わたしたちの語り

フェダマイアー:異彩のダイヤモンド

土屋勝彦:「移民文学」から「世界文学」へ

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