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研究会活動案内(2004年度)

 
 4月23日午後3時   作家エルフリーデ・チュルダ:朗読会ないし講演会

 

次回の研究会を以下の要領で行いますので、どうぞふるってご参集ください。

また5月の予定をお知らせしますので、手帳などにメモして、予定を空けておいてくださると幸いです。

 前回の研究会では、『パサージュ論』のF.鉄骨建築、G.博覧会、広告、グランヴィル、H.蒐集家を扱いました。それぞれ上野さん、須藤さん、鶴田さんからのご報告を受けて、様々な視点から議論しました。とくにグランヴィルの風刺絵は興味深いものでした。はやり何かご報告をしていただいてから意見交換するほうが議論の焦点が定まり、お互いに思わぬ発見もあり、身につく感じがします。これからも少しご報告を受けて実りある議論になるようにしたいと思います。院生の皆さん次回もどうぞよろしくお願いします。

 また鈴木国文氏のご紹介で、同じく精神病理学者の古橋忠晃さんも参加されました。お二人は次回のベンヤミン読書会からも引き続き参加されますので、さらに学際的で自由な討論の場になるよう期待しています。飛び込みでの参加も大歓迎です。

1)作家エルフリーデ・チュルダ:朗読会ないし講演会

日時:4月23日午後3時より6時まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

 

その後近くで一緒に夕食の後、

同日午後7時半よりトゥリーニ『ねずみ狩り』(うずめ劇場)鑑賞

場所:愛知県芸術劇場小ホール

 芝居を一緒に鑑賞される方はあらかじめ入場券を購入しておいてください。

うずめ劇場 http://www.uzume.org/

Lesung bzw. Vortrag von Elfriede Czurda

Zeit und Ort: von 15 Uhr bis 18 Uhr am 23. April 2005 im Sizungsraum (Nr.515)fuer die Internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya

Wollen wir danach zusammen zu Abend essen und ins Theater in Sakae gehen:

Das Theaterstueck "Rozznjogt" von Peter Turrini wird ab 19.30 Uhr im kleinen Saal im Aichi-Kunsttheater in Sakae aufgefuehrt.

 

2)ベンヤミン『パサージュ論』を読む(4)

日時:5月14日午後4時から7時まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室

 扱うところは、I.室内、痕跡 K.夢の街と夢の家、未来の空間、人間的ニヒリズム、ユング L.夢の家、博物館、噴水のあるホール M.遊歩者(以上文庫本『パサージュ論』第2,3巻)です。

 

3)シェフォールト教授講演会

日時:5月28日午後3時より6時まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室

Passagen-Werk von Benjamin (4):

von 16 bis 19 Uhr am 14. Mai im Sizungsraum (Nr.515)fuer die Internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya

Vortrag von Prof. Scheford:

von 15 bis 18 Uhr am 28. Mai im Sizungsraum (Nr.515)fuer die Internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya

 
 3月26日(土曜日)午後4時から7時ドイツ現代文化研究会

 
いよいよ今週の土曜日が研究会ですので、どうぞふるってご参集ください。パサージュ論をめぐって自由に語り合いましょう。

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

テーマ:ベンヤミン『パサージュ論』を読む(3)

  扱うところは、第一巻と第五巻のF鉄骨建築、G博覧会、H蒐集家、I室内、痕跡のところが中心になります。今回は、若い院生の皆さんに簡単なご報告をお願いしてあります。また時間の件では、遅くなる方もいらっしゃいますが、一応4時には始めたいと思います。どうぞお気軽においでください。

Zeit und Ort: um 16 Uhr am 26. Maerz im Sitzungsraum 515 fuer die intercultural Studies an der Nagoya City University wird man uebers "Passgen-Werk" von W. Benjamin weiterhin disktieren.

なお、リンデ・バーベル木版画展が4月1日から4月22日に、ギャラリー旬(地下鉄池下駅から西へ徒歩5分:TEL 763-0123)で行われます。

バーベルさんは1940年オーストリアに生まれ、ウィーン美術アカデミーにてグラフィックアートを学び、1974年から現代までウィーンやザルツブルク、スイスなどで数多くの個展を開き、また多くの芸術賞を受賞されてきたアーティストです。オーストリアの作家であるマイレカーさんや今は亡きヤンドゥルさん、またボード・ヘル(以前名古屋で朗読会を行った現代詩人)さんとも親しく、一緒に個展や本の出版を行ってこられました。

この機会にぜひ皆さんも個展をご覧になってください。入場無料。

また、4月1日17時半からのオープニングパーティには、私も参加する予定です。オーストリア大使館員の方もいらっしゃいます。もしよかったら当日会いましょう。

ホームページ http://www.lindewaber.com/

なお、私事になりますが、4月1日より新居に引越しする予定です。

Holzschnitte-Ausstellung von Linde Waber, der oesterreichischen Kuenstlerin aus Wien, findet vom 1. bis 22. April in der Galerie "Shun" in der Naehe des U-Bahnhofs Ikeshita statt. Herzlich Willkommen! Die Anfangsfeier wird um 17.30 Uhr am 1. April dort veranstaltet. Ich wuerde mich freuen, Sie dabei begruessen zu koennen.

HP von Frau Linde Waber: http://www.lindewaber.com/

Uebrigens werde ich am 1. April ins neue Haus umziehen.

 
 3月26日(土曜日)午後4時から7時ドイツ現代文化研究会

 
 いよいよ花粉症の季節が近づき、困っておりますが、何とか研究会は続けていこうと思います。次回研究会を下記の要領で行いますので、ふるってご参加くださるようお願いいたします。

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

テーマ:ベンヤミン『パサージュ論』を読む(3)

  扱うところは、第一巻と第五巻のF鉄骨建築、G博覧会、H蒐集家、I室内、痕跡のところが中心になります。今回は、若い院生の皆さんに簡単なご報告をお願いしてあります。また時間の件では、遅くなる方もいらっしゃいますが、一応4時には始めたいと思います。どうぞお気軽においでください。

Zeit und Ort: um 16 Uhr am 26. Maerz im Sitzungsraum 515 fuer die intercultural Studies an der Nagoya City University wird man uebers "Passgen-Werk" von W. Benjamin weiterhin disktieren. 

 前回のPogatschniggさんのご講演要旨は、すでに添付書類として送付しましたので繰り返しませんが、言語と文化における隔たりの問題を考えると、時間的隔たりや空間的隔たりの差の大小に関わらず、本来文学の翻訳はオリジナルとは異なる移植行為であり、理念的な志向性を持ち、両者にはいわば漸近線と円との無数の接点くらいしか共通項がない、逆にそれが無数の翻訳が成立しうる根拠ともなるというベンヤミンのパラドキシカルな翻訳論の考え方を踏まえ発展させた考察でした。したがって優れた翻訳は忠実さと自由解釈の弁証法から逃れ得ない究極の作業ともなります。「翻訳は、言語運動の自由のなかで忠実の法則に従いながらそのもっとも固有の軌道をたどるために、つかの間、意味という無限に小さな点において原作に接触するに過ぎない」(ベンヤミン「翻訳者の使命」)。この「意味」という言葉を「関心」という言葉に変えて展開したのが今回の翻訳論でした。議論の中では、詩の翻訳と散文の翻訳との困難さの違い、直訳的な翻訳と意訳的な翻訳の是非、翻訳と翻案の違いなど、多様な疑問点が出され活発な議論となりました。懇親会では奥様も参加され、飛び入りの若い人も交えて歓談しました。

 引き続きベンヤミンの『パサージュ論』をめぐって意見交換しました。シュルレアリスム、モード、地下下水網、都市改造・計画、バリケードなどをめぐるバルザック、マクシム・デュ・カン、フランツ・ヘッセル、ユゴー、オースマンたちの意見や功績について様々な視点から自由に討論しました。 

今後の日程:

4月23日(土曜日)午後3時より Lesung von Elfriede Czurda

  引き続きベンヤミン『パサージュ論』意見交換

同日7時半より、うずめ劇場公演『ネズミ狩り』(P.トゥリーニ)

  この日のアフタートークに専修大学の寺尾さんと私が参加する予定です。当日は研究会の後一緒に皆さんと出かけようと思いますので、予定しておいてください。

   うずめ劇場 http://www.uzume.org/

名古屋公演

(第5回愛知県芸術劇場演劇フェスティバル 参加)

会場:愛知県芸術劇場小ホール

日時:

4月22日(金)19:30

4月23日(土)14:00

4月23日(日)19:30

料金: 一般前売2500円  学生2000円

(当日500円増)

取扱: チケットぴあ tel0570-02-9966

Pコード358-537、愛知芸術文化センタープレイガイド

tel052-972-0430

七つ寺共同スタジオ

交通:地下鉄東山線・名城線[栄]より徒歩2分、名鉄瀬戸線[栄町]より徒歩2分

5月28日(土曜日)午後3時より Vortrag von Prof. Schefold (Uni Frankfurt)

前回台風のため中止となったシェフォールト教授の講演会を行います。

 
 ドイツ現代文化研究会

  次回の研究会を次の要領で行いますので、どうぞふるってご参加ください。日程は、今月の最終土曜日です。

日時:2月26日(土曜日) 午後3時から7時まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室

第一部:午後3時より5時まで講演討論会:

Prof. Pogatschnigg: Distanz und Interesse - Uebersetzen als Parabel

     文学作品の翻訳論をめぐるドイツ語講演です。

第二部:午後5時より7時まで

   ベンヤミン『パサージュ論』討論会(2)(『パサージュ論』第1巻後半:C「太古のパリ」から後の部分)(日本語による)

Hiermit moechte ich Sie herzlich zum Vortrag von Prof. Pogatschnigg an der Uni Bergamo ueber die literarische Uebersetzung einladen. Danach wollen wir wieder ueber "Passagen-Werk" von W.Benjamin disktieren.

Zeit u. Ort: ab 15 Uhr im Sitzungsraum der Abteilung fuer die internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Uni Nagoya.

久しぶりにイタリアから来日するポガチュニクさん(イタリア・ベルガモ大学教授)の講演会を開きます。今回は奥様が名古屋大学で学会発表する機会に便乗して、資料収集と意見交換のために2月末の1週間ほど滞在される予定です。講演原稿はでき次第皆さんへお送りするとのことです。またその後のベンヤミン討論会も聴衆として参加し、懇親会にも出席すると伺いました。

 前回の研究会は盛況のうちに無事終わりました。参加してくださった皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。まず柏木貴久子氏のご講演「文学作品における飲食事象への文化研究的アプローチ」の要旨を簡単にまとめておきます。

 最近のゲルマニスティクと深く関連する新たな研究動向であるKulturwissenschaftを文学研究の中に位置づけ、精神科学から文化科学の研究へと向かっている現状を考えると、作品の記号学的解釈や身体論的な研究、あるいは民俗史的ないし民族学的な研究の意義を再評価できる。飲食のテーマは、文化研究としての文学研究であり、作品の中で演出された食の場面を儀礼や身体の問題意識から考察することとなる。飲食事象は、文化的に形成された行為であるゆえに象徴作用を持つ儀礼ともいえる。儀礼は、先行する形式や原型への依存性とそれを変革しようとする創造的な変容力との緊張関係の中で遂行される。このような不動性と変動性の関係において、美的なものや失われたものを回復していく機制が生まれる。文化的な記憶装置としての文学作品における飲食事象は、物語構造における変速・駆動装置とも呼べるものである。トーマス・マンの場合、自己省察と食との関連性が見られ、様々の食の場面において、文化的な記憶への依拠や原型への愛着が表現されており、そこに神話的宗教的な象徴を見ることができる。たとえば『ブッデンブローク家の人々』には晩餐会や食卓の場面が登場するが、それらはいずれも社会的経済的な繁栄と没落を象徴している。歯と喉・食道、胃腸といった身体器官の障害は、精神的な没落の歴史と関わっている。身体的障害と意思との内的矛盾も現れる。甘い味覚は拝金主義を表すイロニーとして使われており、酸っぱい味覚は没落を示す。落成式の祝宴場面では、塩やパンが財力を誇示し、最後のクリスマスの宴においては、ワインが不可避の没落を示すといったように、それぞれの場面において、儀礼(食事象)を文化記号的なコードとして読み解くことができる。・・・

 今回の発表は、最近注目を集めている文化学の知見をトーマス・マンの作品分析に適用する試みとして、また食事象という、あまり取り上げられないテーマをめぐるお話で、とても興味深くまた刺激的な論述でした。その後の討論でも、食文化に関するドイツ語の語彙の貧困さ、トーマス・マンにおける食の場面の限定性、学際研究の重要性など、多様な問題について熱心に意見交換しました。

 引き続き、ベンヤミンの『パサージュ論』をめぐって討論しました。パサージュや敷居、幻像空間、物象化といったベンヤミン用語の定義について、百貨店やモードをめぐるイメージなど、多様な論点が出され大いに議論を交わしました。最後に参加者それぞれの問題意識を紹介しあって無事討論会を終えました。若い院生の皆さんにも良い刺激になったことと思います。

 その後、4月より関西大学に就職される柏木さんと、同じく椙山女子学園大学に就任される鈴木仁子さんの歓送会を兼ねて新年会を行い、大いに呑みかつ歓談しました。もちろんお二人は今後とも当研究会には出席する予定です。

 また24日の今福龍太さんとの懇親会も、数名の研究会メンバーや越境文学の同僚たちも加わり、とても親しい雰囲気のなかで沖縄焼酎を楽しみ、自由闊達に歓談することができました。参加してくださった皆さんに感謝いたします。奄美写真展や奄美自由大学についてもまたお知らせします。

  なお、近況報告ですが、現在カナダのUniversity of British Columbia助教授として活躍しているMarkus Hallensleben君からメールが届き、研究会のメンバーの皆さんにもよろしく伝えてくださいとのことでした。彼の大学HPはhttp://www.german.ubc.ca/web/000158.htm です。また昨年12月下旬に作家・批評家のLeopold Federmairさんが日本人女性と結婚しました。結婚式は平安神宮で行われ、個性的で暖かい祝宴が催されました。彼は最近大江健三郎や三島由紀夫、村上春樹などの日本文学について執筆しながら、ついにシュティフターに関する著書を完成し、まもなく出版します。皆さんにもよろしくとの事です。彼に関するHPは、http://www.literaturhaus.at/buch/buch/rez/federmairmexiko/bio.html

http://www.single-generation.de/oesterreich/leopold_federmair.htm

http://www.alligatorpapiere.de/federmair.html

です。

最後に、4月から本学に滞在予定の作家ツルダさんを再度紹介しておきます。ご関心のある方は作品を入手しておいてください。

Elfriede Czurda

*25.April 1946 in Wels/Ober?sterreich, lebt und arbeitet in Berlin und in Wien/?sterreich

Stationen u.a.: 1968-73 Studium Kunstgeschichte, Arch?ologie, Philosophie in Salzburg und Paris. 1973 Promotion zur Dr. phil. Seit 1974 freie Kunsthistorikerin in Wien. 1975/76 Generalsekret?rin der Grazer Autorenversammlung. Arbeitet mit Friedrich Achleitner, Gerhard R?hm und Reinhard Priessnitz als Lektorin der "Edition Neue Texte". Seit 1980 in Berlin.

Arbeitsgebiete: Gedicht, Erz?hlung, Essay, Roman

Auszeichnungen/Ehrungen/Preise (Auswahl): Nachwuchs-Stipendium f?r Literatur des BM f?r Untericht und Kunst (1977). F?rderpreis f?r Literatur der NLG, Marburg/Lahn (1980). F?rderungspreis f?r H?rspiele des BM f?r Unterricht und Kunst (1984). Elias-Canetti-Stipendium der Stadt Wien (1991).

- Seit 1974 Mitglied der Grazer Autorenversammlung.

Ver?ffentlichungen (Auswahl): Ein Griff=eingriff inbegriffen (1978). Diotima oder Die Differenz des Gl?cks, Prosa (1982, Rowohlt). Signora Julia, Prosa (1985, Rowohlt). Kerner, Roman (1987, Rowohlt). Die Giftm?rderinnen, Roman (1991). Unmenschen, Essays (1995, Droschl). Die Schl?ferin, Roman (1997, Rowohlt). Wo bin ich.Wo ist es, Sindsgedichte (2002, Droschl).

http://www.literaturhaus.at/buch/buch/rez/czurda/bio.html

http://www.servus.at/dominoa/b.html

 
 1月22日(土曜日)午後3時半から ドイツ現代文化研究会

  謹賀新年。本年もどうぞよろしくお願いします。

 すでにお知らせしましたように、いよいよ来週末に今年最初の研究会を下記の要領で行いますので、ふるってご参加くださるようお願いいたします。

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(山の畑キャンパス・515号室)

講演者:柏木貴久子氏

題目:文学作品における飲食事象への文化研究的アプローチ―トーマス・マン作品を例に 

その後、ベンヤミン『パサージュ論』をめぐる意見交換

柏木さんの歓送会兼新年会は、桜山駅近くの「串安」(852-8999)で午後7時から行う予定です。途中休憩のときに参加者数を店のほうに知らせますので、どうぞよろしくお願いします。

 また、今福龍太さんを囲む懇親会は、1月24日(月曜日)午後7時から、八事の一つ手前、杁中駅2番出口徒歩2分に、「58場」(ゴーヤバ)(831-1658)という店(沖縄居酒屋)があり、そこで行います。一応数名程度で予約を入れていますので、参加される方はメールあるいは研究会のときにでもお知らせください。ささやかな親しい雰囲気の会にしたいとのことで、前回参加の院生の方々もぜひどうぞお出でください。

Liebe Kollegen und Kolleginnen,

Zum neuen Jahr wuensche ich Ihnen viel Glueck und eine kraeftige Gesundheit.

Der Vortrag von Frau Kikuko Kashiwagi wird, wie Sie wissen, ab 15.30 Uhr am 22. Januar 2005 im Sitzungsraum der Abteilung fuer die interanationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya stattfinden:

Kikuko Kashiwagi: Alimentaerische Vorgaenge im erzaehlerischen Werk Thomas Manns

- aus kulturwissenschaftlicher Perspektive (auf Japanisch)

Wollen wir danach etwas ueber "das Passagen-Werk" von W. Benjamin (zuerst ueber den ersten Teil des ersten Uebersetzungsbands) disktieren.

Ich wuerde mich sehr freuen, Sie bei dem Vortrag und der Diskussion begruessen zu duerfen und freue mich auch auf die Gelegenheit zum Wiedersehen und auf anregende Gespraeche. Die Abschiedsfeier fuer Frau Kashiwagi u. Neujahrsfeier wird dann ab 19 Uhr im Lokal "Kushiyasu" in der Naehe der U-Bahn-Station Sakurayama gemacht. Wer daran teilnehmen moechte, sollte mir dabei bitte Bescheid sagen.

mit den besten Gruessen,

Masahiko Tsuchiya

 
 1月22日(土曜日)午後3時半から ドイツ現代文化研究会

 来年最初の研究会を下記の要領で行いますので、ふるってご参加くださるようお願いいたします。

またどうぞ良いお年をお迎えください。

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室

講演者:柏木貴久子氏

題目:文学作品における飲食事象への文化研究的アプローチ

―トーマス・マン作品を例に 

その後、ベンヤミン『パサージュ論』をめぐる意見交換

柏木さんは、立教大学大学院独文学専攻からDAAD奨学生としてミュンヘン大学に留学され、2002年にミュンヘン大学で博士号を取得されました。博士論文は、Festmahl und frugales Mahl. Nahrungsrituale als Dispositive des Erzaehlens im Werk Thomas Manns. (Rombach Buchverlag) (? 26,- ISBN 3-7930-9370-0)として出版されました。今回はその成果を踏まえた発表となります。

 また、その後でベンヤミン『パサージュ論』を扱いたいと思います。関口さんのご提案で、まずは第一巻『パリの原風景』の前半部C「太古のパリ・・・」あたりまでの範囲で、意見交換したいと思います。全員でなくても結構ですが、参加者はそれぞれ5−10分ほどコメントや感想を述べ合って、自由討論したいと思いますので、できるだけ冬休み中に一度目を通してくださると幸いです。

 また有志の方々で、柏木さんの送別会を兼ねて新年会を7時から桜山の「串安」で開きたいと思いますので、そちらのほうもぜひ参加してください。

 

Liebe Kollegen und Kolleginnen,

Der Vortrag von Frau Kikuko Kashiwagi wird ab 15.30 Uhr am 22. Januar 2005 im Sitzungsraum der Abteilung fuer die interanationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya stattfinden:

Kikuko Kashiwagi: Alimentaerische Vorgaenge im erzaehlerischen Werk Thomas Manns

- aus kulturwissenschaftlicher Perspektive

Wollen wir danach etwas ueber "das Passagen-Werk" von W. Benjamin (zuerst ueber den ersten Teil des ersten Uebersetzungsbands) disktieren.

Ich wuerde mich sehr freuen, Sie bei dem Vortrag und der Diskussion begruessen zu duerfen und freue mich auch auf die Gelegenheit zum Wiedersehen und auf anregende Gespraeche.

Ihnen wuensche ich auch einen guten Rutsch ins neue Jahr!

mit freundlichen Gruessen,

 
 ドイツ現代文化研究会の皆様へ(12月21日)

  いよいよ年も押し迫り慌しい日々を過ごされていることと思います。

先日の「共生」をめぐるシンポジウム(名古屋市立大学大学院人間文化研究科主催)は120名ほどの参加者を得てひとまずは無事終わることができました。参加してくださったメンバーの皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

 シンポジウムの4つの講演の中では、はやり今福龍太氏の発表が私にとってもっとも深く刺激的な内容で、とても感銘を受けました。表題は「ウルマ、ウラ、フリティ ―群島とSymbiosis」で、ウルマ(珊瑚)、ウラ(裏・浦・心・占)、フリティ(振りて、惚れて)という言葉の多義性・複層性が説明されたあと、「珊瑚の内奥を振り鳴らす」という呪術的、神話的身振りを手がかりに、奄美群島でのSymbiosis(共生)とcontingence(共接触=偶然性)の自身の経験を語るという構成になっていました。写真家によって撮られた奄美群島における二重写真をもとに、循環的な死生観をめぐる省察、物質的な世界と連関・交流する人間存在の根源的問題、皮膚をインターフェイスとする世界と身体との共通の接触・偶然性による混合的世界像の提示、灰(遺骨)という変容し続ける非在と存在の二重性など、非常に興味深い見識と経験が展開されました。奄美群島に生きている島言葉への省察から、「共生」というテーマを本源的な人間と世界の相互理解および干渉と結びつけながら展開している統覚的な論理は、日常経験に照らしても充分説得力を持っているように思われます。とりわけ死生観から「共生」のあり方を探るという視点は、新鮮で啓発的で本質的であるように思いました。なお、ハンドアウトに引用された文献は、ル・クレジオ『物質的恍惚』(新潮社)、アルフォンソ・リンギス『汝の敵を愛せ』(洛北出版)、ミシェル・セール『五感』(法政大学出版局)、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、ジャック・デリダ『火ここになき灰』(松籟社)、ジル・ドウルーズ『無人島』(河出書房新社)です。

 懇親会の後、名大院生の上野さんや井口さん、岐阜大院生の鶴田さん、それに関口さんを交えて、いつもの味蔵亭で今福さんと歓談しました。実は、中京大学大学院の集中講義「スポーツ人類学」のために来年1月22−24日にかけて再度名古屋にいらっしゃるとの事で、できれば24日(月曜日)夜に、今福さんを囲んでまた一緒に八事で飲み会を行いたいと思います。日程がはっきりしたらまたお知らせしますので、参加ご希望の方はお申し出ください。なお、奄美自由大学の開催日程についてもいずれお知らせします。

 次回の研究会は1月22日(土曜日)午後3時半からの予定で、お知らせしたように、柏木さんに何か発表をお願いしています。その後で、ベンヤミンの『パサージュ論』をめぐって、参加者それぞれが簡単なコメントをするという企画を考えています。当日は、来春から関西大学に就任される柏木さんの送別会をその後で行う予定です。もちろん、関西に行かれても当研究会には顔を出されると思います。

最後になりましたが、ユリイカの12月臨時増刊号「多和田葉子」が刊行されました。同僚の日本文学研究者である谷口さんと一緒に、その全著作解題を執筆・掲載しましたので、ぜひ書店で手にとってご覧いただければ幸いです。

どうぞ良いお年をお迎えください。また今後とも本研究会へのご協力・ご参加をお願いいたします。

なお、来年4月より9月まで本学の客員教授として滞在する予定のオーストリア作家チュルダさんの紹介をしておきます。講演会や朗読会を予定しています。

Elfriede Czurda:

Born in Wels, Austria, April 25th, 1946.

Living in Austria until 1980, then moving to Berlin/West.

Schools and Studies:

  Commercial School in Wels, 1960-62

? Work in an Insurance Office, at the same time Evenings College in Linz 1962-67

? one years Language Abode in London1968

? Studies of History of Arts, Archeology und Philosophy in Salzburg, Austria, and one year Paris, France for thesis research to: “Eug?ne Fromentin, ‘Les Ma?tres d’Autrefois’”, 1968 - 1973 ending with Ph.D. of the University of Salzburg 1974

Starts:

? first Literary Publications in the periodical ?neue texte“, Linz, 1974

for one and a half years General Secretary of the Austrian Writers Association Grazer Autorenversammlung, Vienna1975 , later for several years Vice President

? Lectorer in the ?edition neue texte“-Publishers, Linz1976 - 1981

? first book-publication in Berlin1978

? first radio-play in Austria1979, 1980 ORF-radio-stations Award for Best Radio Play

? Moving to Berlin1980

? Marburg Award for Young Literature, Marburg, Germany 1981

? first Novel published at the large German Publishers Rowohlt, Reinbek (see there) 1982

? first own mise-en-scene of an own radio-play for SFB (Radio Free Berlin) Berlin 1982

 

Teachings:

? at The Berlin Technical University, Creative Writing, 1989

? at The University of Vienna, 1992

? at the Vienna School of Poetry, Vienna, Austria 1994 and Francfort/M., Germany 1995

? Writer in Residence at the Keio-University Tokyo 1996

? Writer in Residence at Ohio State University Bowling Green, U.S.A. , 1997 and 1998 semester teaching Contemporary Austrian Literature

Organisations:

? Images of Women in Contemporary Literature; organised and realised together with Elfriede Gerstl at Vienna, edited and published with same title as Special Number of the Viennese Periodical “Wespennest”, 1979

? Musterm?dchen/M?dchenmuster (Model Girls/Girl Patterns), organised and realised f?r Vienna, 1995, edited and published as Special Number of the Periodical "konkursbuch 32”, T?bingen, Germany

? The Architecture of Language/The Language of Architecture, concepted, organised and realised for Vienna 1999/2000, with 2 exhibitions of Photography and about 40 participants in a one-month’s-program 2000

Literature-Awards and Some Important Scholarships:

? ORF-radio-stations Award for Best Radio Play 1980

? Sandoz-Preis f?r Literatur, Wien1982

? Literature-Award of The Ministery of Arts, Vienna, 1984

? Literature-Award of The the Theodor-K?rner-Foundation, Vienna, 1984

? Award of The Jubil?umsfonds of Literaturmechana 1985

? Scholarship of The German Academy of Language and Poetry, Darmstadt 1985, again 1989

? Projects-Scholarship of Ministery of Arts, Vienna 1989

? Alexander-Sacher-Preis Vienna 1996

? County Literature-Award of Upper Austria, Linz 2000

? Elias-Canetti-Scholarhip of The City of Vienna 1991 and 2003

 

PUBLISHED BOOKS:

 Novels:

? Diotima oder Die Differenz des Gl?cks, Rowohlt, Reinbek, 1982

? Signora Julia, Rowohlt, Reinbek, 1985

? Kerner, Prosa, Rowohlt, Reinbek 1987

? Die Giftm?rderinnen, Rowohlt, Reinbek, 1991

? Die Schl?ferin, Rowohlt, Reinbek, 1997

? (in preparation for 2004:) Dichterinnen. Ein Wirtschaftsroman

 

Small prose texts and poems:

? ein griff - eingriff inbegriffen, rainer, Berlin, 1978 (small prose texts and poems)

? Fast 1 Leben, freibord, Wien, 1981 (small prose texts)

[engl. edition: Almost 1 Life ( Abacus 112) hsg. Peter Ganick, Elmwood, U.S.A,

english by Rosemarie Waldrop]

? Der Fu?ballfan oder Da lacht Virginia Woolf, Edition Grasl, Wien, 1982 (radio-play & casette)

? F?lschungen, rainer, Berlin 1987 (small prose and anagrammatic texts)

? Das Confuse Compendium, Poesie, rainer, Berlin, 1992 (poems)

? Voik, Poesie, Droschl, Graz, 1993 (poems)

? Ungl?xreflexe, Poesie, Droschl, Graz, 1995 (poems)

? Gemachte Gedichte, , Mariannenpresse, Berlin 1999, (poems)

? Wo bin ich wo ist es, Droschl, Graz, 2002 (poems)

 

Essays:

? Die Androiden in der Literatur des 18. & 19. Jahrhunderts, Wiener Vorlesungen zur Literatur, Freibord, Wien 1988

? Buchst?blich: Unmenschen, Droschl, Graz 1995

Some more important Collective Projects and - Volumes:

? Platon ade, hsg. Walter Grond und Lucas Cejpek, Droschl 1989, Gemeinschaftsarbeit mit Jochen Sch?tze: List. Eine Leistung.

? Die Lektion der Dinge, hsg. Gerda Ambros und Helga Glantschnig, Turia & Kant, 1991, Der Klang der Dinge.

? Das Rosenbaertlein-Experiment/Studien zum Anagramm, hsg. Renate K?hn, Aisthesis, Bielefeld 1994, (anagramms)

? Absolut Homer. Gemeinschaftsarbeit mit 21 Autoren, Droschl, Graz 1995

? Musterm?dchen. M?dchenmuster. (authors and editor) Konkursbuchverlag T?bingen 1996

? Zettelwerk, Lucas Cejpek (editor), Sonderzahl 1999, Gespr?ch mit Chris Bezzel 1998

? Sub-Urbs/Sub-Texts/Sub-Jects, Autorenlabor 1999/2000 (unpublished up to now)

? Der sechste Sinn oder die Spur der Dinge, Anth. ?st. Lit., hsg. Catrin Pichler und Johannes Schleebr?gge, Wien, Deuticke, 1996

? Morgenstund und Mitternacht, Gedichte f?r alle Tageszeiten, Reclam, Stuttgart, 1999, p.231

? Die Deutsche Literatur seit 1945, Letzte Welten 1984-1989, hsg. Heinz Ludwig Arnold, dtv,

M?nchen, 1999, Signora Julia, Auszug, p.139

? Die Deutsche Literatur seit 1945, Augenblicke des Gl?cks 1990 - 1995, hsg. Heinz Ludwig

Arnold, dtv, M?nchen, 1999, Die Giftm?derinnen, Auszug, p.122

 

Radio-Plays:

? Der Fu?ballfan oder Da lacht Virginia Woolf, Austrian Broadcast/Radio Bremen 1979 (realization: Heinz Hostnig), broadcastet also in Italien, Yugoslavian, Swiss and several German stations

? Der Rabe oder Ein M?rchen vom verstockten Sprechen, Radio Free Berlin 1982 (realization: first version: Ulrich Gerhard; second version: Elfriede Czurda)

? Sprechprobe oder Jede Stadt liegt im Westen, Austrian Broadcast 1984 (realization: Elfriede Czurda)

? Autobahn oder Jede Gesellschaft macht ihre M?rder, Bremen/Austrian Broadcast, 1984 (realization: Elfriede Czurda)

? Krieger, Austrian Broadcast, 1994 (realization: Lucas Cejpek)

? Das Nirgendwo die Nacht. Austrian Broadcast, 1997, (realization: Elfriede Czurda)

? Rondo in P-Dur, Austrian Broadcast 2002 (realization: Elfriede Czurda)

 

Participations in Exhibitions of Visual Works of Concrete Poetry:

? Kunst aus Sprache, Museum des 20. Jahrhunderts (cataloge)

Retrospective of Concrete Poetry in Vienna (Museum des 20. Jahrhunderts) 1976 Linz (Neue Galerie) 1977 Graz (Neue Galerie) 1977

? Vom Aussehen der W?rter, Sprengel-Museum (cataloge)

Retrospective of Concrete Poetry in Hannover (Sprengel-Museum) 1980

? W-O Visuelle Poesie in Berlin, Public Galerie Pankow, Berlin (cataloge)

Retrospective of Concrete Poetry in Berlin (Public Galerie Pankow) 1992

? (without cataloge) Works of Photography, Galerie der WEISS KUNSTBEWEGUNG, Berlin, 2001

Books translatited from Foreign Languages:

? Pierre Bambot? Makombo, Tagebuch eines Bauern aus Zentralafrika, translated from French, LCB-Editionen, Berlin1983

? Mich?le Metail, Gehen und Schreiben, translated from French, DAAD-Presse Berlin 2002

Articles on the Author in Dictionayrs of Contemporary Literature:

? K?rschners Literaturkalender, De Gruyter, Berlin/ New York, since 1981

? Gesichter der deutschen Literatur, Fototermin, Isolde Ohlbaum, Ffm., 1984

? Berliner Autorenstadtbuch, 111 von A bis Z, hsg. Karin Kiwus u.a., Berlin, 1985

? Berlin literarisch, 120 Autoren aus Ost und West, Renate von Mangold, Argus, Berlin 1988

? Wer ist wer - der Deutsche Who is Who, Schmidt-R?mhild, Essen, seit 1989

? Women writers of Germany, Austria and Switzerland, New York, Greenwood Press, 1989

? Austrian writers from 1938 to 1980, University of California Riverside, Riverside 1996

? Kritisches Gegenwarts-Lexikon, Edition Text und Kritik,G?ttingen

? ?sterreichlexikon 1995

? the Berliner, Verlag Schr?der + Sch?mbs, Berlin 1995

? Berlin ? ein Ort zum Schreiben, hsg. K. Kiwus, Berlin, 1996

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ (12月6日)

 

 いよいよ師走に入り、何かと慌しい日々を過ごされていることと推察します。

 さて、次回の研究会の件ですが、12月はシンポジウム開催のため研究会はお休みにします。すでにお知らせしたように、本学の「人間文化研究所」設立を記念して、下記の公開シンポジウムが行われますので、どうぞこちらのほうにふるってご参集くださるようお願い申し上げます。

 なお、当日17時45分から2時間程度、学内生協食堂において懇親会を行いますので、参加してくださる方は12月15日までに当方までお申し込みください。(会費は4000円、大学院生は2000円です。)以前研究会でもお話いただいたパネラーの今福龍太さんとその後二次会でゆっくり歓談できるかと思います。

名古屋市立大学大学院人間文化研究科主催 

公開シンポジウム「共生」研究の課題と展望

日時:12月18日(土曜日)13時から17時半まで

場所:名古屋市立大学・人文社会学部棟201教室(大教室)

パネリスト:

今福龍太氏(文化人類学、札幌大学)、平野健一郎氏(国際関係論、早稲田大学)、水野里恵氏(発達心理学、愛知江南短期大学)、宮島喬氏(社会学、立教大学)

コーディネーター:村井忠政氏(社会学、名古屋市立大学)

 前回の研究会では、鈴木国文氏と関口裕昭氏による「詩作と外傷――パウル・ツェラーンの精神的危機に関する文学的・精神病理的考察」という題目で共同講演が行われ、その後昨日の東海支部でも発表を聞くことができました。簡単にまとめておきます。

 妻ジゼルとの往復書簡が刊行されて以来、ツェラーンの精神病の背景が次第に明らかになってきた。晩年の詩においては隠喩構造が希薄化し、Wortspielが強くなり、語と語の間の意味的な連関が薄くなり、断片化傾向が見られる。抒情自我が他者の侵入を受けて崩壊してゆくが、ichとduの通路は「結び目」によってかろうじてつなぎとめられる。母語(Muttersprache)から殺人者の言語(Moerdersprache)への移行が、へその緒(結び目)としてつながれるのである。そこに現実から狂気への移行もみられる。精神病理学的に見れば、ツェラーンの病状はおそらく統合失調症に近いものと考えられる。健常者の場合、社会化過程の中でシニフィアンの体系による媒介によって普遍的に共有できる世界像を結ぶが、統合失調症者の場合には、「父の名」の排除(ラカン、またフロイトの言う原初的喪失:エディプスコンプレックス)によって共通世界の構造化ができてこない。そのとき妄想、幻覚、ネオロギスムなどが生起する。いわばシニフィアンにとらわれた主体が私的言語、音韻連合など、共同主観的な意味を形成しない発話を行っていく。この現象は、存在とシニフィアンとの組み合わせが一致せず、そこに空洞が生じるという図式で説明できる。通常は、言語は他者のものであるという認識のうちに言語の他者性を忘却するのであるが、統合失調症者はその他者性に翻弄されるわけである。こう考えると晩年期のツェラーンの詩作が成立してくる構造をある程度理解することができる。

 今回の発表は、文学研究と精神病理学との学際的な共同作業を通して、従来触れ合うことの稀有な自然科学と人文科学の実りある対話ないしは協力関係をつくる見事な一例と考えられます。文学研究者がともすれば陥りがちな学問的狭窄から逃れる方法の一つとして、文化人類学や社会学、心理学、精神医学、教育学などの他分野との連携を図っていく必要性をあらためて感じました。これを機会に発表者の鈴木氏は、今後本研究会にも参加されるとのことですので、1月からのベンヤミン輪読会にもこのような方向で望んでいきたいと思います。まずは『パサージュ論』を手がかりに自由に意見交換しましょう。さらに多くの参加者を得て自由に議論できる場を提供したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。なお、1月は柏木さんに何かご報告をしていただく予定です。

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ(10月28日)

 

 前回はあいにくの台風で研究会(シェフォールト氏講演討論会)を中止せざるを得なくなり、本当に残念でした。ご仲介の労をとってくださった原田さんには、中止の案内をしていただき、ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 さて、まだ一ヶ月ほど先になりますが、次回の研究会を下記の要領で行いますので、どうぞお誘い合わせの上、多数ご参加くださるようお願いいたします。

   講演討論会

日時:11月27日 午後3時より5時過ぎまで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

講演者:鈴木国文氏

テーマ:詩作と外傷
――パウル・ツェラーンの精神的危機に関する文学的・精神病理的考察

今回は、関口さんのご紹介により、名古屋大学医学部教授で精神病理学者の鈴木国文氏にご講演していただくことになりました。精神病理学的な見地から詩人の心の闇を解明するという非常に興味深い問題です。文学研究と精神医学との関係に触れる良い機会になるのではと期待しています。また、同じテーマで12月4日に日本独文学会東海支部発表会でも講演が行われますので、その前に色々議論しましょう。そのあと、研究会の今後についてもご相談できればと思います。異なる分野の研究者たちを交えてベンヤミンの輪読会を開くという提案があります。

(講師プロフィール)

鈴木國文(すずき くにふみ) 1952年生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。現在、名古屋大学医学部保健学科教授。専攻、精神病理学・精神分析学。著書:『神経症概念はいま』(金剛出版)、『トラウマと未来』(近刊、勉誠出版)、共訳書:ラカン『精神病』『精神分析の倫理』『精神分析の四基本概念』『フロイトの技法論』他多数。

 なお、12月18日に下記シンポジウムが名古屋市立大学人間文化研究科主催で行われますので、こちらにも是非ご出席ください。

  公開シンポジウム「共生」研究の課題と展望

日時:12月18日(土曜日)13時から17時半まで

場所:名古屋市立大学・人文社会学部棟201教室

パネリスト:

今福龍太氏(文化人類学、札幌大学)、平野健一郎氏(国際関係論、早稲田大学)、水野里恵氏(発達心理学、愛知江南短期大学)、宮島喬氏(社会学、立教大学)

コーディネーター:村井忠政氏(社会学、名古屋市立大学)

Liebe Kollegen und Kolleginnen,

hiermit wuerde ich Sie gerne zum Vortrag von Prof. Kunifumi Suzuki herzlich einladen:

Prof. Kunifumi Suzuki: Dichtung und Trauma――Eine literalische/psychopathologische Betrachtung zur geistlichen Krise Paul Celans (auf Japanisch)

Zeit u. Ort: ab 15 Uhr am 27. November im Sitzungsraum 515 der Abteilung fuer internationale Kulturwissenschaft

Herr Suzuki ist Professor fuer Psychopathologie an der medizinischen Fakultaet der Universitaet Nagoya.

mit freundlichen Gruessen,
Masahiko Tsuchiya

 
 ドイツ現代文化研究会の皆様へ(10月9日)

 

台風接近で警報が出ましたので、残念ながら講演討論会を中止せざるを得ません。以下、原田哲史さんからのメールを転載します。急遽メンバー宛にお知らせいただき、ありがとうございました。

本日予定しておりましたシュテファン・ゲオルゲ協会会長ベルトラム・シェフォールト氏(ドイツ・フランクルルト大学経済学部教授)の講演による研究会ですが、いま土屋先生と協議した結果、台風のため中止することになりました。そして、自宅の土屋先生(自宅からは皆さまに中止のメールを出せない)に代わって、私から皆さまにそのご連絡をしている次第です。残念ですが、どうぞご理解のほど、お願い申し上げます。以下、シェフォールト氏ご自身のメッセージです。

原田哲史(四日市大学経済学部)

Sher geehrte Damen und Herren,

das Treffen von heute, ein Vortrag von Herrn Bertram Schefold (Professor der Universitaet Frankfurt a.M., wirtschaftswissenschaftliche Fakultaet), dem Praesidenten der Stefan George-Gesellschaft, kann leider wegen des Taifuns nicht stattfinden. Ich benachrichte Sie alle nach einem Gespraech mit Herrn Tsuchiya, da dieser von seinem Haus aus keine E-Mail an Sie alle senden kann. Wir bitten Sie um Verstaendnis. Bitte erhalten Sie eine folgende kurze Bemerkung von Herrn Schefold selber.

Tetsushi Harada (Yokkaichi University)

Ich bedaure sehr, dass dieser Vortrag, auf den ich mich besonders gefreut hatte, heute wegen des Sturmwinds nicht stattfinden kann. Denn Ihre Eindruecke und Einwaende waeren mir wichtig.. Hoffentlich bedeutet es nicht, wie es im KAIROS von George heisst: "Der heut nicht kam bleib immer fern"! Ich wuensche Ihrer kuenftigen Arbeit viel Erfolg und bin mit besten Gruessen Ihr Bertram Schefold

 
 ドイツ現代文化研究会の皆様へ(9月22日)


 次回の研究会を下記の要領で行いますので、万障繰り合わせの上ぜひご参集くださるようお願い申し上げます。今回は四日市大学の原田哲史氏の招聘によります。

  シェフォールト氏講演討論会(ドイツ語)

日時:10月9日(土曜日)午後3時より

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(515号室)

題目:シュテファン・ゲオルゲ―詩人の世界と学問という職業

Liebe Kolleginnen und Kollegen,

hiermit moechte ich Sie zum Vortrag von Prof. Bertram Scheford an der Frankfurter Universitaet herzlich einladen.

Zeit u. Ort: um 15 Uhr am 9. Oktober im Sitzungsraum der Abteilung fuer die Internationale Kulturwissenschaft

Prof. Scheford: Stefan George: Die Welt des Dichters und der Beruf der Wissenschaft

Masahiko Tsuchiya

フランクフルト大学教授ベルトラム・シェフォールト氏の

略歴と主な業績 ( 原田哲史氏作成)

< 略歴 >

1943年 スイス・バーゼル生まれ(父はバーゼル大学考古学教授カール・シェフォールト)

1962〜67年 ミュンヘン大学、バーゼル大学、ハンブルク大学にて学び、数学と理論物理学を専攻してバーゼル大学を卒業(67年)

1971年 論文Piero Sraffas Theorie der Kuppelproduktion, des Kapi-tals und der Rente によりバーゼル大学から(G.ボムバッハのもとで)経済学博士号取得

1971〜72年 バーゼル・リスト研究所にて(E.ザリーンのもとで)助手

1971〜72年 バーゼル大学講師

1972〜73年 ケンブリッジ大学(トリニティー・カレッジ)およびハーヴァード大学にて客員研究員

1974年(至現在)ドイツ・フランクフルト大学経済学部にて正教授

1981年 ケンブリッジ大学(トリニティー・カレッジ)客員教授

1981〜82年 フランクフルト大学経済学部長

1982〜83年 ドイツ連邦議会「将来のエネルギー政策」諮問委員

1986〜90年 ドイツ・社会政策学会経済学史委員会委員長

1991〜02年 Klassiker der National?konomie (経済学古典復刻シリーズ)主幹編集者

1995年(至現在)シュテファン・ゲオルゲ協会会長

1996年 中央大学客員教授(日本学術振興会による)

2000〜02年 ヨーロッパ経済思想史学会 (ESHET) 会長

2000年(至現在)スイス=ドイツ経済クラブ会長

2001年 (至現在)日本・経済学史学会(『年報』)”International Advisory Board”委員

< 主な業績 >

1.著 書

- Piero Sraffas Theorie der Kuppelproduktion, des Kapitals und der Rente, Dissertation, Privatdruck 1971 (後に改訂され英語版として Mr. Sraffa on Joint Production and Other Essays, London 1989).

- (編) Floating, Realignment, Integration: 9. Gespr?ch der List Gesellschaft, Basel, T?bingen 1972.

- (K.M.Meyer-Abichと共著)Wie m?chten wir in Zukunft leben?, M?nchen 1981.

- (H.C.Binswanger, H.Fischer, H.G.Nutzinger他と共著) Arbeit ohne Um-weltzerst?rung: Strategien f?r eine neue Wirtschaftspolitik, Frankfurt a.M. 1983 (改訂第2版、1988).

- (K.M.Meyer-Abichと共著) Die Grenzen der Atomwirtschaft, M?nchen 1986.

- (編) ?konomische Klassik im Umbruch: Theoretische Aufs?tze von David Ricardo, Alfred Marshall, Vladimir K. Dmitriev und Piero Sraffa, Frankfurt a.M. 1986.

- (編) Studien zur Entwicklung der ?konomischen Theorie (Schriften des Vereins f?r Socialpolitik, Neue Folge, Bd. 115), VII (Konjunkturtheorie im ausgehenden 19. Jahrhudert), Berlin 1989; VIII (Deutsche National-?konomie in der Zwischenkriegszeit), Berlin 1989; X (Friedrich List: Voraussetzungen und Folgen), Berlin 1990; XI (Die Darstellung der Wirtschaft und der Wirtschaftswissenschaften in der Belletristik), Berlin 1992.

- (K.Bharadwajと共編) Essays in Honour of Piero Sraffa: Critical Perspec-tive on the Revival of Classical Theory, London 1992.

- (K.W.N?rr, F.Tenbruckと共編) Deutsche Geisteswissenschaften zwischen Kaiserreich und Republik: Zur Entwicklung von National?konomie, Rechtswissenschaft und Sozialwissenschaft im 20. Jahrhundert, Stutt-gart 1994.

- Wirtschaftsstile, Bd. 1 (Studien zum Verh?ltnis von ?konomie und Kultur), Frankfurt a.M. 1994; Bd. 2 (Studien zur ?konomischen Theorie und zur Zukunft der Technik), Frankfurt a.M. 1995.

- Normal Prices, Technical Change and Accumulation, London 1997.

なお、シェフォールト氏は、下記の日程で講演旅行を行う予定です。

< フランクフルト大学シェフォールトB.Schefold教授来日における講演・研究会

(04年10月)のご案内 >

10月2日(土)関西大学(http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/access.html)にて特別講演会

関西大学千里山キャンパス 経済・政治研究所6階 マルチメディア・ラボ 14:00〜16:00

主催: 関西大学 経済・政治研究所 ビジネス研究班

演題:‘Anschauliche Theorie' ('Intuitive Theory') by Edgar Salin and

‘Wirtschaftsstile' ('Economic Style') by Arthur Spiethoff: Their origins

and modern applications

10月4日(月)一橋大学(http://www.hit-u.ac.jp)にて講演会・セミナー

一橋大学本館特別応接室 15:00〜

演題: Edgar Salin and his concept of 'Anschauliche Theorie' ('Intuitive

Theory'): During the interwar period(邦訳付)

10月5日(火)慶応義塾大学(http://www.keio.ac.jp/access.html)にて研究会

慶応義塾大学三田校舎 北館2階会議室2 15:00〜17:00

主催: 慶応義塾大学経済学会

演題: The series "Klassiker der Nationaloekonomie": The creation of a canon and the role of Asian classics in the history of economic thought

10月7日(木)中央大学にて研究会(中央大学企業研究会定例研究会)

中央大学(http://www.chuo-u.ac.jp/)多摩キャンパス2号館4階会議室 15:00〜

演題: New developments in Sraffa's capital theory and the stability of intertemporal equilibrium

10月9日(土)名古屋市立大学(http://www.nagoya-cu.ac.jp/jimu/ncumap/lmapj1.html)にて講演(ドイツ現代文化研究会)

 名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(515号室)15:00〜

演題: Stefan George: Die Welt des Dichters und der Beruf der Wissenschaft

10月11日(月・祝)京都大学にて経済思想シンポジウム「経済思想の文化的背景」

主催:京都大学経済学研究科COEプロジェクト(組織と制度) 共催:経済学史学会関

西部会 京大会館(http://www.kyodaikaikan.jp/)13:00〜17:00

演題: The series "Klassiker der Nationaloekonomie": The creation of a canon

and the role of Asian classics in the history of economic thought

予定討論者:加藤博(一橋大学)、姜命奎(鹿児島国際大学)その他

10月13日(水)京都大学(http://www.kyoto-u.ac.jp/)にてワークショップ

京都大学経済学部105演習室(総合研究棟1F)10:30〜12:00

演題: New developments in Sraffa's capital theory and the stability of

intertemporal equilibrium

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ(8月19日)

 

 残暑お見舞い申し上げます。

 次回の講演会を名古屋哲学研究会との共催として下記の要領で行いますので、ぜひご参集くださるようお願い申し上げます。

日時:9月17日(金曜日)午後3時より

場所:名古屋市立大学人文社会学部会議室(1階)

講演者:三島憲一氏(東京経済大学教授、今年度より大阪大学から転職されました)

題目:人権と思想史

三島氏主要業績:『ニーチェ』(1987、岩波新書)『ニーチェとその影』(1990、未来社)『戦後ドイツ』(1991、岩波新書)『文化とレイシズム』(1996、岩波書店)『ベンヤミン』(1998、講談社『現代思想の冒険者たち』第9巻)など

詳細はまた後日お知らせしますが、場所はいつもの国際文化学科会議室ではなく、1階の会議室です。お間違えのないようお願いします。

なお、今後の予定としては、

10月9日(土曜日)午後3時より シェフォールト氏(フランクフルト大学教授)講演会"Stefan George: Die Welt des Dichters und der Beruf der Wissenschaft"

11月27日(土曜日) 午後3時より 鈴木国文氏(名古屋大学医学部精神医学教授)講演会

となっています。どうぞメモしておいてください。

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ

  空梅雨が明けたかと思うと、うだるような真夏日が続いていますが、ご健勝のことと存じます。さて先日は、研究会に参加していただきありがとうございました。山口さんのご発表は、とても興味深くアクチュアルなテーマで、活発な議論をすることができました。簡単にまとめておきます。

 ルース・セント・デニスというモダンダンスの先駆者が行った舞踊『ラーダー』には、静止と運動、彫像と舞踊、見られる対象と運動する主体、神的な儀礼性と人間的世俗性という両面が見られる。彼女の踊りを参照しながら、ホーフマンスタールのエッセイ「比類なき踊り子」を、1)間メディア性、2)インターカルチュラル性、3)ジェンダー論という三つの観点から考察する。1)では、言語記号の置換不能性を示す象形文字としての形象(身体)が提示される。また同時代のモダンダンスの先駆者たるイザドラ・ダンカンが客体と主体、あるいはロゴス(男性)と身体(女性)の分裂・離反(モダニティ)を体現しているとすれば、デニスの場合は、その直接性、定義不能性、根源性(オリエンタルな全一性)を体現している。2)では、オリエンタリズムと文化混交の要素が、諸文化の引用の集積として現れる。ここには、たとえばラフカディオ・ハーン、岡倉天心らの影響を受けたアジア的な表象としての身体が示される。3)では、踊る女性(ダンス)と語る男性(文学)という対比が表現され、ダンスと文学のジェンダー的な差異が示される。踊る女性は言語表現を止揚し、意味から離れたユートピアであり、部分化された現代社会(男性社会)へのアンチテーゼとしての協同的身体である。ホフマンスタール自身はその後、こうした身体性からロゴスへと、女性的なるものから男性的なものへ、コスモポリタンな思想からドイツ的な思想へと回帰する。

 こうして、身体表現におけるモダニズムの一端が、ダンスと文学の関係性から考察されており、大いに刺激を受けました。今回は、実際にデニスの行った『White Jade』の上演をビデオで見ることができたので、クラシックバレーがまだ支配的であった当時の観客に与えた衝撃性とエキソチズムを感得できたように思います。

  今回は、ライヒャルトさんの姪のタチアナとその友人ダニエラも参加して、懇親会でも楽しく語り合うことができました。

 これで、しばらく研究会はお休みなりますが、今後の日程だけをお知らせしますので、予定表にメモしておいてください。詳しくはまた後日お知らせします。

9月17日(金曜日)午後3時より 三島憲一氏講演会

10月9日(土曜日)午後3時より シェフォールト氏(フランクフルト大学教授)講演会

11月27日(土曜日) 午後3時より 鈴木国文氏(名古屋大学医学部精神医学教授)講演会

 なお、私は、8月23日から9月13日までオーストリアのウィーンとザルツカンマーグートにあるグルンドルゼーの作家宿泊施設に滞在し、数名の作家インタヴューと、ウィーン大学のシュミットデングラー教授との研究打ち合わせ、それに資料収集を行ってくる予定です。

では、皆さん充実した夏休みを過ごしてください。また元気でお会いできるのを楽しみにしています。

土屋勝彦

Vortraege: je ab 15 Uhr,

am 17. September: Herr Prof. Kenichi Mishima (auf japanisch)

am 9. Oktober: Herr Prof. Scheford (auf deutsch)

am 30. November: Herr Prof. Kunifumi Suzuki (auf japanisch)

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ (7月1日)

 早くも7月に入り、梅雨の中休みで蒸し暑い日々が続いておりますが、皆さんお元気でお過ごしのことと拝察いたします。

 さて、すでにお知らせしましたように、次回の研究会を下記の要領で開催しますので、万障繰り合わせの上、多数ご参集くださるようお願い申し上げます。ライヒャルトさんもこれが皆さんとお会いできる最後になるかもしれませんので、今回山口さんには無理を言って、日程を調整しました。また研究会の後、ライヒャルトさんの送別会をかねて懇親会を行う予定です。

日時:7月17日(土曜日)午後4時から

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(515号室)

講師:山口庸子氏

テーマ:Tanz und Literatur in der Moderne: Hofmannsthals Essay "Die unvergleichliche T?nzerin" (auf deutsch)

 ホーフマンスタールのエッセイを題材に、ダンスと文学の関係についてお話ししていただく予定です。当日は少しビデオの上映もあります。

土屋勝彦

Liebe Kollegen und Kolleginnen,

hiermit moechte ich Sie herzlich zum Germanistentreffen einladen. Daran nimmt auch Frau Reichart teil und es waere wahrscheinlich die letzte Gelegenheit, sie zu treffen, so dass wir danach zusammen im Stammlokal ihre Abschiedsfeier veranstalten wollen.

Vortrag und Diskussion:

Frau Prof. Yoko Yamaguchi: Tanz und Literatur in der Moderne: Hofmannsthals Essay "Die unvergleichliche Taenzerin" 

Zeit und Ort: ab 16 Uhr am 17. Juli im Raum 515 fuer die crosscultural Studies an der Nagoya City University

Masahiko Tsuchiya

School of Humanities and Social Sciences

Graduate School of Humanities and Cultural Studies

Nagoya City University

 

 新刊書の案内:

神品芳夫編著『自然詩の系譜―20世紀ドイツ詩の水脈』(みすず書房)8000円

序説:20世紀詩のなかの自然詩、ドイツ史のなかの自然、20世紀自然詩の特質

第1部:1945年以前の自然詩

第1章:オスカー・レルケ

第2章:ヴィルヘルム・レーマン

第3章:『コロンネ』周辺の詩人たち

インテルメツォー:ドロステ、メーリケ、レーナウについて

第2部:1945年以後の自然詩

第1章:ペーター・フーヘル

第2章:ヨハネス・ボブロフスキー

第3章:ザーラ・キルシュ

第4章:パウル・ツェラーン

第5章:その他の詩人たち

 全430頁あまりの浩瀚な著書であり、ゲルマニストにとっての必須文献だと思います。前半の第一部は神品氏の手になるもので、1933年以後の国内亡命派自然詩人たちの系譜が、作品分析を通して丁寧に跡付けられており、後半の第二部は、5名の執筆者(杉浦健介、田中謙司、内藤洋子、冨岡悦子、関口裕昭の諸氏)の手になるもので、戦後の自然詩人たちの系譜が、やはり作品に即して詳細に論じられています。今回、メンバーの関口さんから寄贈を受けて、ざっと見ただけですが、ドイツ詩に関心を持つ人には絶好の案内書であり研究書です。授業でも活用できる一書だと思いますので、以前ご紹介した『ドイツ詩を学ぶ人のために』(内藤道雄編、世界思想社)とともに、ぜひとも研究室に一冊備えていただければ幸いです。

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ (6月8日)

  真夏のような陽気になったかと思うと、今週からいよいよ入梅になり、うっとしい天気が続きそうですが、皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、前回のライヒャルトさんのご報告を簡単にまとめておきます。オーストリアの場合、4年前の国民党と自由党との保守連合内閣が成立して以来、保守的な枠組みの文化政策をとり始め、ブルク劇場やオペラハウス、楽友協会など老舗の文化施設や文化観光産業への援助以外には、緊縮財政と民活を理由として、とりわけアヴァンギャルド文化への補助金の打ち切りが相次いでいるそうです。出版界でも文学系出版社の身売りも多く、ドイツコンツェルンに吸収されてオーストリア独自の文化政策を打ち出せない状況です。拡大EUによって、さらに多くの外国人労働者が流入し多文化共生政策の行き詰まりを危惧する声が高まっていることも影響しているのでしょう。

ライヒャルトさんの報告要旨転載:

in oesterreich kam vor vier jahren eine neue regierung an die macht - zum ersten mal eine mitte/rechts koalition zwischen OeVP und FPOe - also der oest. volkspartei - konservativ - und der freiheitlichen partei - rechts.

zuvor regierte die SPOe - sozialdemokraten - gemeinsam mit der OeVP, die zumindest den schein einer demokratie im kulturbereich wahrten. dies aenderte sich unter der neuen regierung entscheidend. Willkuerherrschaft ist wohl der passende ausdruck fuer ihre entscheidungen ueber die koepfe der betroffenen kuenstlerInnen hinweg. Zuletzt musste das einzige oesterr. filmfestival abgesagt werden, da sich die filmschaffenden gegen die vom kunststaatssekretaer morak eingesetzte festivalleitung vehement wehrten u. sich weigerten, ihre filme bei diesem festival zu zeigen. Immerhin war ihr protest erfolgreich: das von ihnen initiierte gegenfestival fand unter grossem publikumszuspruch statt.

Einen wahn teilt diese regierung - leider - mit vielen anderen regierungen dieser welt: sie will privatisieren, was im bereich der kunst naturgemaess problematisch ist. So verkaufte sie die einzige erfolgreiche oest. verlagsgruppe an einen dt. konzern, der die einzelnen verlage bereits weiter verkauft, was von vornherein klar war, da er nie einen hehl daraus machte, nur an einem der vier verlage, naemlich dem des schulbuchs, interessiert zu sein. - die anderen sind Literatur u. Kunstverlage und garantieren keinen gewinn.

 以上簡単な報告の後、自由討論しました。バレエ業界や日展をはじめ日本の文化産業は、家元制度といった派閥的な古い体質が根強く残っていて、なかなか自由な文化活動が育ちにくい状況であることを確認しました。日本の場合、演劇や音楽、絵画など芸術分野における保守的な体質からいかに開放していくかが今後の大きな課題といえそうです。芸術が市場原理や徒弟制度に支配される現状では、若い芸術家たちへの財政的援助制度を導入することもなかなか難しいように見受けられます。これは文学をめぐる状況とも共通する問題で、日独墺を問わず、いかにして売れる文学を開拓するかかが出版社の最大の眼目となっています。中堅作家にとっても出版事情はかなり厳しいそうです。事実ライヒャルトさんの新作小説は完成後1年以上になりますが、なかなか引き受けてくれる出版社が見つかっていません。

   今回は懐かしくも、長老のヘルツェンさんがお元気な姿で参加され、和気藹々と意見交換することができました。また、懇親会では今後の研究会の方向性についても話し合いました。毎月1回では多いので、隔月開催として、ドイツ語での討論と日本語での討論を交互に行ってはどうかという提案が出され、大体了承されました。世話人としては、何か共通テーマの下にシンポジウム(たとえばトーマス・マン)や共通テクスト(たとえばバッハマン)の輪読会、あるいは論文集の出版などを考えています。また、有志による科学研究費の共同研究への申請を行い、何か具体的な形になるようにできればと思います。皆さんが出席しやすいように、あらかじめ複数の担当者を決めて、簡単な報告をしていただくのはいかがでしょうか。当事者意識がないとなかなか出席する意欲がなくなるのではと思うからです。会場についても、ときには他の大学施設で行ってもいいように思います。これらの点について、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。5月に雑誌『ひろの』から依頼があったので、当研究会の紹介文(早いもので発足後6年になりますので、その歴史的な経緯を中心に)を書いて送りました。

 なお、今後の計画としては、7月中旬に山口庸子氏講演会、9月に三島憲一氏講演会(集中講義で本学に来られる機会に何か話していただこうと思っています)、10月9日(土曜日)フランクフルト大学教授、シェフォールト氏講演会(四日市大学の原田哲史氏の企画により日本各地で講演旅行されます)などを予定しています。テーマなどの詳細については、後日またお知らせいたします。

Plan: Vortraege von Frau Prof. Yamaguchi (Mitte Juli), Herrn Prof. Mishima (im September) und Herrn Prof. Schefold (am 9. Oktober)

なお、拙共編著『多和田葉子ー越境文化の中間地帯で書くこと』(三恵社、日独語併用)が出ましたので、ご関心のある方はぜひご覧ください。研究会に出られたメンバーには寄贈しました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883612228/qid=1086413884/sr=1-22/ref=sr_1_0_22/249-7203417-3707510

また、昨年12月のシンポジウム論集は、現在編集中であり、この夏か秋にはIUDICIUM Verlagから出版される予定(250頁)です。

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ

 ゴールデンウィークも終わりに近づきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

次回の研究会を下記の要領で開きたいと思いますので、多数ご参集くださるようお願申し上げます。

日時:5月22日(土曜日)午後4時から6時半頃まで

場所:名古屋市立大学人文社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

テーマ:日本とヨーロッパにおける文化状況と文化政策

 今回は趣向を変えて、上記テーマについて意見交換したいと思います。はじめにElisabeth Reichartさんから簡単な報告をしていただき、皆で自由に討論したいと思います。作家朗読会の状況や文学の出版事情から演劇、美術館などの状況について、日本とヨーロッパを比較しながら意見交換してはどうかと考えました。

 前回はライヒャルトさんの朗読会をしましたが、参加者が少なく討論もあまり活発なものにならず残念でした。ただ、懇親会では多和田葉子論や詩人の伊藤比呂美論をめぐって面白い討論になり盛り上がりました。また、この研究会でははじめて名古屋工業大学のアルバーさんが参加されました。

ライヒャルトさんの紹介を忘れていましたので、転載します。またGerhard R?hmのライヒャルト論は以下のHPにあります:http://polyglot.lss.wisc.edu/german/austria/reichart.html

インタヴュー記事は、http://www.onb.ac.at/sichtungen/beitraege/reichart-e-1a.htmlで見れます。

Liebe Kolleginnen und Kollegen,

Hiermit m?chte ich Sie herzlich zum Germanistentreffen einladen. Wollen wir dabei ?ber die Situation der Kultur und der Kulturpolitik in Europa und Japan zusammen diskutieren.

Zeit: am 22. Mai 2004, um 16 Uhr

Ort: im Sitzungsraum der Abteilung f?r Crosscultural Studies an der Nagoya City University (Raum 515)

Thema: Kulturelle Lage und Kulturpolitik in Europa und Japan

Masahiko Tsuchiya

Elisabeth Reichart:

Kurzbiografie

Geboren am 19. November 1953 in Steyregg/Ober?sterreich.

Studium der Geschichte und Germanistik in Salzburg und Wien.

Promotion zur Dr. phil. mit einer Dissertation ?ber den Widerstand gegen den Nationalsozialismus im Salzkammergut.

Seit 1982 freiberufliche Schriftstellerin.

1992 Leiterin des ersten AutorInnenlabors in der Alten Schmiede, Wien.

Herausgeberin der Anthologie "?sterreichische Dichterinnen" bei Otto M?ller, 1993.

Lebt in Wien.

Preise, Auszeichnungen (Auswahl)

1980 und 1982 Rauriser F?rderungspreis f?r Literatur

1983 Nachwuchsstipendium f?r Literatur des Bundesministeriums f?r Unterricht und Kunst

1989 F?rderungspreis der Stadt Wien f?r Literatur

1989 Staatsstipendium des Bundesministeriums f?r Unterricht und Kunst f?r Literatur

1993 F?rderungspreis des Bundesministeriums f?r Unterricht und Kunst f?r Literatur

1993 und 1994 Buchpr?mie des Bundesministeriums f?r Unterricht und Kunst

1999 Robert Musil Stipendium

Werke (Auswahl)

Prosa

Februarschatten. Roman. Wien: Verlag der ?sterreichischen Staatsdruckerei, 1984.

Komm ?ber den See. Erz?hlung. Frankfurt/M.: Fischer Taschenbuch Verlag, 1988.

La Valse. Erz?hlungen. Salzburg: M?ller, 1992.

Fotze. Erz?hlung. Salzburg: M?ller, 1993.

Sakkorausch. Ein Monolog. Salzburg: M?ller, 1994.

Nachtm?r. Roman. Salzburg: M?ller, 1995.

Das vergessene L?cheln der Amaterasu. Roman. Berlin: Aufbau, 1998.

St?ck

Sakkorausch. Eine Installation f?r K?rper und Stimme. Wien: Remise, Wiener Festwochen, 1994.

 
 ドイツ現代文化研究会の皆さんへ

  新学期が始まり多忙な日々をお過ごしのことと推察いたします。

  さて、今年度最初の研究会を下記の要領で開催したいと思いますので、ふるってご参集くださるようお願い申し上げます。日が長くなりましたので、いつもより1時間遅く始めます。朗読討論会の後、近くの居酒屋で懇親会を行いますので、こちらのほうにもぜひ参加してください。

日時:4月24日午後4時より6時半頃まで

場所:名古屋市立大学人分社会学部国際文化学科会議室(5階515号室)

講演者:Elisabeth Reichart (オーストリア作家)

題目: Der kurze Schlaf des Vincent van Gogh

 5年ぶりにライヒャルトさんが来日しました。前期(9月まで)客員教授として本学に滞在する予定です。今回は、あらかじめ添付書類としてお送りしますので、読んでいただければ幸いです。ゴッホをめぐるエッセイですので、西洋と日本の比較文化論的な議論ができればと思います。

 

Liebe Kolleginnen und Kollegen,

hiermit moechte ich Sie zur Autorlesung herzlich einladen. Ich freue mich schon, Sie hier zu begruessen und in eine rege Diskussion zu kommen.

Lesung von Elisabeth Reichart: Der kurze Schlaf des Vincent van Gogh

um 16 Uhr am 24. April im Sitzungszimmer fuer Internationale Kulturwissenschaft an der Staedtischen Universitaet Nagoya

herzlichst,

Masahiko Tsuchiya